第279回
知り合いの訃報とストレス
有名人、芸能人の訃報ばかりではありません。
僕の周りでも、親戚や同世代の友人たちが
ガンなどで亡くなる方の知らせが多くなってきました。
若い年頃にはわかりませんが、年を重ねて、
自分の病気が心配になってくる中高年になってくると、
ただ、惜しい人を亡くした、
残念だという感傷の段階にとどまらず、
身近な人たちの死が、まるで、わが身が痛くなるほど、
ストレスとショックをもたらすものなのです。
ところで、身近な人たちの訃報は、
聞いた人のいのちを縮めるほども
ショックを与える、ストレスが死を早める――
という研究データについては、
近刊拙著「ガンを切らずに10年延命」(増刷8刷)で、
以下のように紹介したことがあります。
*
アメリカのワシントン大学の
トマス・ホームズ(Holmes,T.H)と共同研究者が、
1967年に調査した「日常のストレスと病気」に関する
有名な研究報告があります。
調査項目は43位までありますが、
上位20位までの主なものを抜粋します。(別図)
1 配偶者の死亡 |
100点 |
11 家族の一員の病気 |
44点 |
2 離婚 |
73点 |
12 妊娠 |
40点 |
3 夫婦別居 |
65点 |
13 性的困難 |
39点 |
4 刑務所への収容 |
63点 |
14 新しい家族が増える |
39点 |
5 家族の一員の死亡 |
63点 |
15 仕事上の変化 |
39点 |
6 自分の大きなケガや病気 |
53点 |
16 経済状態の変化 |
38点 |
7 結婚 |
50点 |
17 親友の死亡 |
37点 |
8 解雇・失業 |
47点 |
18 配置転換・転勤 |
36点 |
9 夫婦の和解 |
45点 |
19 夫婦喧嘩の回数の変化 |
35点 |
10 退職・引退 |
45点 |
20 1万ドル以上の借金 |
31点 |
それぞれの出来事とそのストレス強度が書いてあります。
これは「配偶者(夫・妻)の死」を100として、
その他の出来事にそれぞれ得点を付けていったものです。
ガンなどの難病の原因は、身体的な欠陥からだけでなく、
精神的なストレスやショックが引き金になっていると
示しているとみてもよいでしょう。
この調査では【ストレス自己診断】ができるようになっていて、
該当する項目を合計して300点以上になった場合、
8割の人が重病になるそうですから、
あなたも試してみてはどうでしょうか?
(*20位の「1万ドル」=約100万円は
40年前の価値判断ですから、
いまはもう1桁くらい多くなっているかもしれません)
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