第276回
なぜ食生活が重要か?
「禅とマクロビオティックと人間と」と題して、
「月刊むすび誌」(※1)8月号の巻頭10ページに掲載された
正食協会の岡田定三会長の講演論文は
まさに、いま蔓延する≪機械論思考≫に警鐘を鳴らし、
日本人らしいホリスティックな≪全体論思考≫をすすめる
さわやかなメッセージだ――という話の続きです。
さっそく、この論文から
「21世紀、人類が生き延びるための最後の鍵」とは何か?
について語った箇所を紹介しておきましょう。
*
対立する相手を単純に敵視する(西洋的な)思想というのは、
非常に幼稚な考え方なんですね。(略)
桜沢先生は、そういう考え方と古い東洋の考え方を、
『ゼン(禅)・マクロビオテック』のまえがきに書かれています。
「人類のすべての大宗教は東洋に生まれました―
光は東方より。
そのおかげで、東洋の人々は数千年もの間、
残酷な戦争をあまり知らずに生活を営んでいました(中略)。
西洋文明はそれ以来ますます強力になり、
それにつれて戦争もますます残酷となり、
私たちが称賛してやまない近代科学は、
人類の新宗教として台頭してきました。
それでは、このきわめて生産的な新しい文明と、
健康と自由、幸福と平和の古い文明の双方が、
相補うもの、すなわち“一なるもの”の
両翼となる可能性はないものでしょうか。
四十八年間、私のねらいは、
まさにこれを実現しようとすることでした」
ですから、光は東方からということは、
正に東洋の精神の世界と
西洋の物質優先の文明とをひとつにしたものが、
21世紀の人類が生き延びるための最後の鍵を握っているというか。
そういうことを桜沢先生は実現しようとして奔走されたのです。
その基盤になるのは何かというと、宇宙の秩序です。(略)
その秩序を破るということは
どういうことかと言いますと、
例えば食生活というのは、
歯の構造や腸の形というものから類推すると、
当然穀物中心でなくてはならいのです。
これは正に、神の義なのです。
人間を作った掟なのです。(略)
毎日のようにそういう掟を破り続けていると、
死刑を宣告されたり、
無期懲役になったりということになるわけです(笑)。
ですから、何故 食生活が重要かというと、
私たちのイノチがまさに食にある。
食べなかったら命がないわけです。(以下略)
*
どうでしょうか?
今忘れ去られている、東洋から西洋へのメッセージ、
全体論から機械論への警告・・・に溢れてると思いませんか?
とてもわかりやすくて、
エンパワーされるメッセージだと思いませんか?
興味のある人は、正食協会(※2)に問い合わせてみてください。
※1 http://www.macrobiotic.gr.jp/publication/musubi/top/
※2 http://www.macrobiotic.gr.jp/
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