第273回
いのちとは食生活の歴史そのものだ
なんども、このコラムに書いていますように、
人間のいのちとは≪単純な機械≫ではありませんから、
こうした臓器レベルの治療だけで、
多くの人が体験している難病奇病を乗り越えて、
≪元気に長生き≫を掴むことは
なかなか難しくなってきました。
≪赤ん坊の生物学的、生理学的教育は、
母の食生活を通じて行われる≫
≪人間が生物学的にも劣った
動物の乳で養う必要はない≫として、
「東洋医学の哲学―最高判断力の書 」の中で、
提唱した、マクロビオティックの始祖・
桜澤如一の食哲学原理の話の続きです。
子供が病弱か、健康になるかの決め手は、
妊娠中から始まって養育期まで、
ひとえに、母親の食生活
(そして、健康、活動、心理、思想、人格、および
読書、学習)次第である――
これぞ宇宙・生命の秩序に基づく
≪もっとも優れた人間改造法=最高判断力≫だ――として、
決して、クイズもどきの栄養学で
健康が保たれるものではない・・・
と警鐘を鳴らしているわけです。
さらに、
「自由と平和を各自が、
各自の力で、確保するにはまず
≪ナニを食べ、ナニを飲むべきか≫」の
東洋医学に基づいた最高判断力を持て!と力説。
「西洋医学がまったくこの最高判断力という、
人間に無限の自由と永遠の幸福と
絶対の正義を確保するモノ、
最大の意志と実行力を与えるモノを、
問題にしないで『魔法の弾丸』(注・化学劇薬のこと)や
驚くべき新手術法の発明に
没頭している様子をマコトに残念に思うモノです」と。
まさに、現代のテレビや新聞・雑誌に蔓延する
≪医術礼賛≫≪健康食礼賛≫の狂騒に警告する、
預言的なメッセージを
いまなお世界に発信していることになります。
食はいのちの源だ――、
身体(からだ)は、これまでに食べてきたもので作られる、
つまり、人間のいのちとは、あなたが歩んだ
食生活の歴史そのものだ――、
食べ物はからだもこころも運命すら変えてしまうから、
クイズもどきの食品礼賛で、
治療設計や人生設計が果たせるものではない――、
ということを、ぜひ、皆さんも、
わが身、わが家族のためだと思って、
学んでみませんか?
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