ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第270回
握り飯でシベリア鉄道・横断1万4000キロ

前回、マクロビオティックの始祖・
桜澤如一を≪丸ごと知るための入門書≫として、
「食生活の革命児」という評伝をすすめました。

西洋医学の本拠である
パスツールやシュバイツァーの研究所に乗り込んだ
マクロビオティックの始祖・桜澤如一(1893〜1966)とは、
まさに≪20世紀最大の食の革命児≫だった――
というわけですが、どんな武勇伝か?
さわりを紹介しておきましょう。

ちなみに、桜澤如一は
≪宇宙万物は陰陽より成る≫という
宇宙生命のバランス原理、つまり、
東洋医学に伝わる易の哲学を
人間改造の最高原理=無双原理(むそうげんり)と命名。
さらに、人間が健康で平和で幸福を得るためには、
まず、最も生命バランスのとれた玄米を中心とする
食養生に励むことだとして、
フランス語に精通した桜澤は、
この食哲学を、Macrobiotiqueと命名したわけです。
語源はギリシャ語に由来していますが、
macro=偉大な、全体的な、
bio=生命の
biotic=生活法、実践法という意味です。

1929年(昭和4年)、36歳のときに
この食の原理を世界に発表するため、
シベリア鉄道経由でフランス・パリへと、
身を挺した旅行に出ます。

「桜沢如一は(略)汽車賃の三等 
二百五十円足らずは別として、
食費を八十五銭であげた。」
(注・大学での初任給が4、50円)

「ところで、桜沢が東京・パリ間、
十四日一万四千キロの横断に用意した食糧は、
つぎのごときものであった。
玄米うるちのほし飯 二升(3.6リットル)
食用鉄火味噌 百匁(370グラム)
特製ごま塩 二合(0.36リットル)
療法用準ごま油 二十五グラム」
(注・途中、山口や下関で、仲間から、
かつお節1本、古梅干しひと箱、乾しぜんまい1キロ、
半つき米の日の丸おにぎり30個の差し入れをうける。
やがて、にぎり飯や乾し飯は真っ青な青カビに包まれたが
水洗いし、お湯をかけて鉄火味噌で食べ続けた)

こうして、玄米食と少食の正しさを実践しつつ、
西洋医学の本拠・パリに乗り込み、
食養法で現地の人たちの難病を治し、
ソルボンヌ大学やパスツール研究所で
西洋医学と比較しつつ、研究の集大成を出版します。
これが、のちに名著となった「無双原理・易」という本です。

桜沢は医師ではありませんが、
身を挺して、いのちの深奥を究めた、
まさに「食生活の革命家」でした。
西洋物マネ式の理論にしがみつく、
頭でっかちの医師や学者と違うところが
とても魅力的な人物だと思いませんか?


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2009年8月13日(木)

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