第265回
クイズもどきの≪健康食礼賛番組≫3
≪健康食礼賛≫の短絡的な報道に騙されてはいけない!
という話の続きです。
本来、健全な食生活を考える上では、
ある1つの食べ物が効果をあらわすということよりも、
食生活全体のバランスをいかに図るか?
これが、長寿難病時代には、
ますます重要な課題となってきたといえるでしょう。
西洋栄養学のように、
食べ物といのちの相関を、
ガソリン交換にも似た≪機械論≫で
片付けるのは、まさに、その単眼思考、短絡志向の
最たるものでしょう。
「キノコが体にいい」、
「納豆が血液をきれいにする」・・・、
などなど、≪これを食べれば病気が治る≫
≪これで肉食過多の弊害が正せる≫といった
≪健康食≫の1品礼賛番組の氾濫などですが、
ただ思いつきのように、単品の健康食を口にしても、
そう簡単に、生命力がアップするものではありません。
そして、いまの日本の栄養学は西洋一辺倒ですから、
テレビ健康ワイド番組は、
西洋栄養学のモノサシを装った、
抗ガン、抗老化の食品宣伝ということとなるわけです。
たとえば、代表的な西洋栄養学の
「抗酸化成分と食品」の分類表は以下のようになります。
●ポリフェノール=緑茶 赤ワイン チョコレート ココア
●コエンザイムQ10=レバー アボガド ピーナッツ いわし
●葉酸=小麦胚芽 ナッツ類 豆類 レバー
●ビタミンE=アーモンド ごま ごま油
●亜鉛= 赤身の肉 牡蠣
●セレン= あじ かつお いわし 牡蠣
●βカロテン=緑黄色野菜 海藻 緑茶
●ビタミンC=いちご トマト ブロッコリー 柑橘類
●アリシン=たまねぎ ニンニク
●イソフラボン=大豆、納豆
●フラボノイド=ミカン緑茶
●ルチン=蕎麦 ほうれん草
●グルタチオン=アボガド ホウレン草 ビール酵母
●リコピン=スイカ トマト
テレビに出てくる栄養士とタレントと司会者が、
まるでクイズもどきに、
こうした横文字の栄養成分をまくし立てて、
コレを含む健康食を食べれば、
「ガンにもならず」「老化も防げる」と声高に叫びますから、
早とちりした主婦たちが勢い、巷のスーパーに出かけて行って、
突然、緑茶を買ったり
爆発的に赤ワインが売れたりする・・・、
異常なショッピング現象を起こすことになります。
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