第260回
≪患者は実験用試験管≫ではありません
ホリスティック医学の権威である帯津良一医師は、
よい医師の条件とは
「患者の寂しさが分かる医師だ」と断言します。
至極、名言だと思います。
「患者の寂しさが分かる医師」とは、
検査機器やメスや化学薬ばかりに
血眼になる医師ではなく、
患者と医療従事者の信頼の統合=
信頼のコミュニケーションに腐心することを
第1と考える医師だ――、
というわけですが、筆者もこうした「規準」で
医師の人柄や病院の信頼性を
見分けるようにしています。
医師と患者の間に広がっている
“いのちの格差”をいかに乗り越えるか?
ここに生身(なまみ)の患者が切に願う
ガン治療の根本的な問題点があります。
なんとしても「元気で長生き」したいと願う患者の1人として、
「長寿難病時代に突入したいまこそ、
西洋医学の対処療法に盲従する医師の
“いのちの発想”を改めていただきたい」と、
心底から申し上げたいわけです。
そろそろ、医師自らが「切る」「叩く」「焼く」の
治療ガイドラインの“不備と限界”を率直に認め、
患者に実情を説明する――、
患者のダメージを深くする
“ガン病棟の真実”を医師自らが明らかにすべきときだ――
と思っています。
よく、著名医師の本に書いてある
「医師のいうことを聞く患者がよい患者だ」といった
偏狭なパタナーイズム(父親主義)を
まずは、医師サイドが捨てること、
マスコミも「医師の医術礼賛」「医師は神様」
という妄信報道から脱すること、
さらに≪臓器レベル≫から≪人間のレベル≫へ、
ガン治療報道の姿勢を転換すること――、
これが患者を≪元気に長生き≫させるための
先決の課題だと思っています。
いまいちど、
「病気は患者自身が治し、医師は包帯を巻く」という
広い心を持つ――
いのちの母親主義を見直すときでしょう。
繰り返しますが、
≪患者は壊れた機械≫ではありません。
≪患者は医師のための実験用試験管≫でもありません。
拙著「ガンを切らずに10年延命」(増刷6刷中)を
再読してみましょう。
探せば、心ある医師もたくさんおられます。
これからは長寿難病時代です。
患者だからできる
≪生命力アップ法≫を思い起こして、
元気で長生きのヒケツを工夫しましょう。
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