第188回
再び、中国株は≪3G携帯≫に注目!
紙メディアを不況に追い込んだのは、
≪3G携帯電話≫と≪軽量モバイルパソコン≫が表徴する
最近のデジタル・メディア・システムの
≪技術革新≫と≪格安販売≫だ――
メディア戦争の決着は≪紙か? デジタルか?≫といわれれば、
残念ながらデジタル装置の革新と工夫に
“軍配が上がった”ようだ――
長生きしていると、面白いことにめぐり逢うものだ――
という話の続きです。
ちょっと、デジタル・メディアの進化の話をしてきましたので、
お隣の中国経済や、これから狙うべき
中国株の通信銘柄についても触れておきましょう。
ちなみに、昨年の大不況の波を食らって、米国や欧州ばかりか、
サブプライム投資の被害の少なかった日本、
そして中国の株も軒並みダウンして、
3月、4月とやっと底が見えてきたようですね。
僕は、このコラムでも前に書きましたが、
サブプライム不況の1、2ヶ月ほど前に、
中国株の半数以上を売って換金していましたので、
さほど被害は受けなかったのですが、それでも、
10年、15年ほどまえに仕込んだ安値を
さらに割るのは困るなあ・・・と心配しましたが、
大抵が、その手前で反転。
もちろん、昨年の9月ころの最高値にくらべれば、
まだまだ半分にも株価は戻っていないわけですが、
明るい兆しが見えてきて、みなさんも再び、
中国株投資や中国の事業投資に
“元気が湧いてきた”ことだと思います。
邱永漢先生のおっしゃるように食料銘柄もよし、
インフラ銘柄も面白いですね。
僕も2月に≪中国中鉄≫などを少々買い込みました。
とくに興味津々なのはデジタル通信銘柄です。
なにせ中国の携帯加入件数は6億件を超えて
世界一であることは誰も否定できません。
おまけに前回、前々回のコラムでも触れた、
3G=第3世代向けのネットワーク整備などには今後数年で、
4兆円近い投資が必要とされ、
内需刺激策としてもっとも期待できる分野だと思います。
僕は、自分が面白いと体感できないものには
投資したくないクセがありますので、
日本の新聞が騒ぐほど
中国の自動車はまだ買い増す気にはなれませんでした。
逆に、トヨタやホンダのエコ車の方に現実味があって、
2月頃にこちらを買って25%くらい上がったところで先月、
利食いました。
また、≪チャイナモバイル(中国移動)≫、
≪チャイナユニコム(中国聯通)≫、
≪チャイナテレコム(中国電信)≫に再び目を付けています。
中国政府は通信業界の再編計画を発表して、
いよいよ、中国移動、中国電信、中国聯通の3社が
固定電話から携帯電話までの一貫サービスを
手掛ける体制となりましたからね。
●中国移動(チャイナモバイル)は
中国独自開発の「TD―SCDMA」方式、
またソフトバンクと英ボーダフォンと携帯電話端末の
技術開発・合弁会社の設立で合意。
●中国電信(チャイナテレコム)はKDDIが採用している
「CDMA2000」方式。
●中国聯通(チャイナユニコム)はNTTドコモが使う
「W-CDMA」方式――の免許をそれぞれ取得といいます。
これまで固定電話が主力だった≪中国電信≫なら、
まだ4香港ドルほどです。
ただし≪アリババ≫はかつて上場直後に暴落した
イヤな思い出がありますので、
気に入りません。まだいいでしょう。
いずれにしても、
中国の内需拡大政策が上手く展開すればの話ですが、
上海万博に向けてまた市場は全体に上向くでしょうから、
業界でベスト3くらいの銘柄なら、安値の時に、
どれを買っておいてもいいのではないかと思っています。
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