第182回
<いのちの最高判断力>を育むには・・・
これからのガン治療は、
つぎの3つの「複合力」を見直すことです。
1.漢方の複合力
2.医療の複合力
3.いのちの複合力
ただ「切れば治る」という単純主義思考=二元論発想から脱して、
いのち全体の調和を図る複合主義思考=一元論発想を、
そろそろ見直しましょう――という話の続きです。
さて、マクロビオティック玄米菜食法を励行し、
その始祖である桜澤如一を尊敬しています。
桜澤が提唱する
<マクロビオティック=偉大なる生命学>の真髄こそ、
「いのち全体の調和を図る複合主義思考の一元論発想」であり、
注目すべき<いのちの最高判断力の原理>だと思っています。
その著書「東洋医学の哲学――最高判断力の書」には、
いかに一元論思考・複合調和思考が大切かという極意が
「生物学的生理学的」進化論を駆使して語られ、
また<いのちの最高判断力>を育む
<教育論>として解説されていますので、
いい機会ですので、サワリを紹介しておきます。
<真の教育、スナワチ(即ち) 自由で、幸福で、
正義の人で、スベテの人から愛される人を造る教育は、
生まれるとその日から始められ、7才までに終わるものです。
イヤ、もっとハルカニ(遥かに)前です。
人は生まれる前の280日間に、
1個の(150万分の1グラムぐらいの)最初の受精卵から
30億倍に生長し、ツイニ(遂に)数兆個の細胞になることを
私どもは忘れてはなりません。
そして、人間の受精卵は280日のあいだに
生物学的なアラユル進化の段階を通って、
30億倍の生物(赤ん坊)になるのです。(略)
人間は子宮の中で30億生物学年を過ごすことになります。
この生物学的な進化期間(280日のこと)に、
われわれの主要な特長や性格が創造されるのです。
だから、この生物学的な生理学的な期間に
われわれがうけ入れる外的、内的な影響は、
生後に受ける教育よりハルカニ
重大なモノであるコトは想像されましょう。
それが数千年前に多くの東洋の聖者
(今日のコトバでいえば自由人)
によって強調されています。(以下略)>
まさに、「善悪」「正誤」「勝ち負け」・・・と、
西洋医学や西洋哲学の二元論弁証法に
すっかり慣らされた僕たちには、
目からウロコの「いのちの発想法」だと思いませんか?
桜澤流を勝手に敷衍させてもらえれば、
人間万民が平等に有している
「30億年の進化に基づく<いのちの複雑性>」を
わずか西洋100年、200年の単純化医学で
解明できるはずがないじゃないか!
――それが<常識>だと思いたくなりませんか?
ま、東洋医学や東洋哲学、
そしてマクロビオティックの始祖の哲学原理など
納得しがたいと思う人もいるでしょう。
それはそれで、判断は自由です。
しかし、わが身、そして、わが身の病気の複雑怪奇さと
照らし合わせて考えてみましょう。
<いのち学>として、
西洋医学の<単純思考>が解決の道になるのか?
東洋医学の<複雑思考>が理に叶っているのか?
おのずと答えは出てくると、僕は思っています。
あなたはどう考えますか?
|