ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第175回
常識からの「脱走力」を蓄えよう

昔から「寄らば大樹の陰」といった処世の諺があります。
大不況期になると、こうした“他人頼み”といいますか、
“お上一任”といいますか、
日和見の生き方に甘んじたがる傾向が増えるものです。

とくに、この100年来の大不況下では、
サラリーマンばかりか、零細企業の経営者も
「独立自尊」「危機は好機」などとは、
やせ我慢もできず、
時の流れには「棹をささない」「あきらめる」――
こうしたケースが増えてくるものです。

ひどいケースでは、極度のうつ病になる人、ガンになる人、
もっと悲惨なケースでは自殺に追い込まれる人――、
そうしたサラリーマンや経営者が出てくるわけです。
あなたの近辺ではどうでしょうか?

もちろん、齢を重ねるに連れて、
誰しもそれなりの「危機管理能力」は付いてきますから、
ずる賢く生きることが“大人の常識”となり、
「朝の来ない夜はない」
「長いものには巻かれろ」
「寄らば大樹の陰」こそ、
不況下の危機克服の隠し技だと洞ヶ峠を決め込む
中高年が増えてくるのも事実です。

しかし、「嵐は通り過ぎるのを待て」
と、じっと息を潜めているうちに、
突然の大雪崩にあって、会社や国といった
「大樹」もろとも押し流されてしまったら
元も子もありません。

この100年来の大不況は、
まさに「大樹」が立っていられない
構造的な一大危機に立たされているわけです。
これまでの“常識”の大崩壊と考えたほうが早いと思います。

ズバリ、これからは、
早めに、暴風圏=常識からの「脱出」をススメます。
「脱出」、「脱走」などというキーワードを使うと、
景気のよいときは、歓迎されるものですが、
不況のときにこんなことをいえば、
とんでもない危険思考だと顰蹙を買います。

しかし、いまこそ「危機は好機」の
常識からの「脱走力」が問われているときはありません。

人間、切羽詰ってくると、前例とか、慣例とか、
古い常識にしがみつきたくなるものです。
危機に瀕すると、いまやっている世界や領域にしか、
自分の人生はないと思い込むものです。
しかし、これが、ついつい陥りやすい人間の弱さなのですね。
これは、中高年に限りません。
若い世代にも多い保守傾向です。
冷静に考えれば、
自分を発揮できる仕事の世界=領域の選択肢などは、
ほかにもたくさんあるものなのです。


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2009年5月10日(日)

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