第161回
ガン患者よ、「いのちの複合力」をつけよう!
ガンとは、いまだ現代医学が解明できない
ミステリアスな「複雑老化病」と思ったら早いと思います。
このコラムで何度も書いているように、
決して、切り傷やタンコブのように切り取ったら、
すべて完治するといった柔な病気ではありません。
よく、名医といわれる医師たちが、
「手術で切り取ればガンは完治する」
「化学劇薬で叩けばガンは完治する」・・・と、
患者に宣言しますが、長くガンと闘ってきた人なら分かるように、
大半の人が再発したり、転移したりして苦しみます。
それどころか、何度も繰り返される手術の後遺症や、
毒薬まがいといわれても仕方のない化学薬でダメージを受け、
ガンそのものではなく、
激しい治療でいのちを縮めていった仲間たちを見て来ましたので、
僕はほんとうに悲しい思いをしました。
現場の医師たちの“努力”にも関わらず、
これでは、ガンに最適の「標準治療」と呼べるのでしょうか?
多くの患者と家族は、こうした“ガン病棟の真実”に、
唖然とし、不安を覚え、なんとかならないのか?
と思い知らされていると思います。
では、手術、抗ガン剤、放射線という「標準治療」以外の、
いわゆる、免疫療法などの次世代治療、
さらに、漢方療法などの代替療法といわれる
「非標準治療」はどうなのか?
これまた、欠点がたくさん目に付いて、
患者はますます不安感ガ増している――、
これがいまの「ガン治療の真実」ではないか?
もちろん、何度も何度も手術を受けて、
幸運にも生き延びている人もおられるわけですし、
僕のように惨い食道ガンの手術を拒否して
10年生き延びたものもいるわけですから、
大病院の医師が断言するように、
一概に「早めにガンを切り取れば完治する」とは断言できないのが、
いまのガン医療の実態でしょう。
でなければ、毎年、30数万人がガンで亡くなり、
再発と転移でおびえるガン患者が
150万人も200万人もいるはずがない――、そう思いませんか?
ガンの患者とは悲しいもので、
すぐに「“神の手”を持つ医師はいないか」
「“魔法の弾丸”を処方できる医師はいないか」と血迷います。
「治った」「治らない」「効いた」「効かない」・・・
ということだけにこだわります。
しかし、僕は長い闘病体験から、一発でガンを完治させる
手術も化学薬もない・・・そう思うようになりました。
というわけで、医師から見れば、
僕はじつに「生意気な患者」の部類に入るわけですが、
「患者が主治医」の気構えで治療の選択や組み合わせていくこと、
さまざまな「いのちの複合力」に着目して、
自らの「いのちのパワー」を高めることを
日常の生活に取り入れることが、
いかに、この複雑怪奇な病気と折り合っていく近道か――
ガン患者よ、「いのちの複合力」を付けよう!――
と、思って、提案したわけです。
ガン患者は、ただただ、惨い手術やわけの分からない薬に
わが身を預けていてよいのか?
いや、自らの「いのちのパワー」を高めることが、
まず大切だと、僕は、思っているわけです。
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