第158回
患者こそ「総合医=全体医」?
今ほど「生老病死(しょうりょうびょうし)」が
深刻に騒がれる時代はありません。
もはや、50歳以上が半数近くといわれる、
この長寿時代、いや「長寿難病時代」です。
生老病死の「生と死」の問題も深刻ですが、
「老と病」と闘う期間がますます長くなって、
「単純主義」の西洋医療では手詰まりとなり、
「複雑主義」の漢方療法などの「補完代替療法」に
助けを求める患者が増えてきたように思います。
ですから、患者サイドが、医師と一緒になって、
「西洋医学が科学的に優れている」
「東洋医学にいいところがある」といった論争に
巻き込まれる必要ないと思っています。
なんとしても「いのちを掴み取る」ことが
患者の偽らざる目標ですから、
医師の都合や医療ガイドラインだけに阿(おもね)っても
何のメリットもありません。
さて、僕は1人の中高年患者であって、
別に、医師でも政治家でも厚生官僚でもありませんから、
あまり大業な話を続けても仕方がないので、
僕自身の中高年・慢性老化病の症状と治療に話を戻します。
別に、僕は「前立腺のガン」になったわけではありません。
70歳目前にして直面した「頻尿、前立腺、冷え」の症状でも、
これは中高年なら「避けられない老化病」だと
割り切れるようになりますから、もう、医師サイドと一緒になって、
「完治するとか、しないか」といった論議に
加わる気持ちはなくなりました。
誰しもが負う老化病は、「同行二人」の気持ちで仲良く、
上手に付き合って、西洋医学の荒治療だけではなく、
心身全体を診る漢方力の知恵の助けを
借りようと思うようになりました。
さて、鵜沼宏樹院長は、腰痛と冷えのツボに鍼灸を施す前に、
丁寧にお腹のツボを指で押して、
「うーん、胃の潰瘍はないようですね。
<於血(おけつ=汚血・悪血)>と<腎>が少し悪いようです」
といいながら、西洋医学の医師では教えてくれない
体全体の「不調和」と「老化部分」を指摘してくれたわけです。
まえにも書きましたように、整体で骨盤調整をし、
いくつかのツボに鍼を刺して、さらにビワの葉温灸器で加熱。
おかげで、治療中は、気持ちよくなって
ウトウトと眠ってしまいましたが、
その日の晩も足が冷えることもなく、おかげで、
夜中のおしっこも1回ですんだのは、嬉しい限りでした。
ほんとうに、人間のからだ、いのちとは、
微妙なバランスで出来上がっていることが、
この鍼灸・整体療法を受けて分かりました。
血や気のめぐりがよくなりました。
さらに、鵜沼院長から、
そのほかに気功法による改善のアドバイスも受け、
「腰痛改善が第1です」からと、
≪胎児気功≫(抱膝守一法)という、
仰向け寝て、母親の胎内にいるように体を丸めたポーズで、
「吐いて吸って」の腹式呼吸を日に5〜10分する気功法を
奨められました。
「頻尿だ、前立腺肥大だ」といって、
西洋医学の医師のところに行けば、
ただ鎮痛剤や筋肉弛緩剤をくれるだけで、
ちっとも根本的な
「頻尿や冷え」を改善することが出来ないわけです。
近所の開業医ですら
「前立腺など中年男性なら誰でも経験する
持病みたいなものですよ」と笑いながら慰めてくれます。
前立腺ガンとでも分かればブラキセラピー療法も考えてみますが、
大病院とはなんでもかんでも仰々しい検査と、
その場しのぎの対処療法を繰り返すだけです。ひどいものです。
こと頻尿症状に限りません。
これからは中年老化病蔓延の時代です。
「患者=主治医」、いや「患者=総合医」
「患者=全体医」という気構えで、
上手に統合療法や全体療法を組み立てましょう――、
それが患者主体の「元気延命」のヒケツだと思って、
あきらめないで、
僕は僕なりに「老化防止」の複合力の知恵を絞っているわけです。
あなたなら、どう考え、どうしますか?
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