ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第157回
あなたは「補完医療」に着眼しているか?

「頻尿、前立腺、冷え」が続きますので、
なんとか根本的に冷えを改善する「漢方」はないかと考えて、
元・帯津三敬病院中国室室長で、
いまは東京・池袋で統合鍼灸治療院『元気』を開いている
鵜沼宏樹さんの「鍼灸療法」を受けて、
かなり改善した――という話の続きです。

ちなみに、漢方の「鍼灸治療」とは、
「鍼(はり)や灸(きゅう)のツボへの刺激によって、
経絡(けいらく)を流れる気血の運行が円滑になり、
各器官のアンバランスも修正され、
正気(免疫力)も充実することで病が改善される」というものです。

経絡とは、体全身にはりめぐらされたネットワークで、
体表と内臓をつないでいます。
ちょうど、いのちの鉄道線路のようなもの。
線路上にある駅に相当するのがツボということになり、
ここを刺激することによって、心身全体のバランスを正すという、
東洋医学特有の発想法が『鍼灸法』ですから、
まさに、うまくいけば、現在の細分化治療、局所対処治療である
西洋医学の欠陥と限界を補う治療となるわけです。

拙著近刊「ガンを切らずに10年延命―複合漢方力の驚異」
でも説明しましたが、
「西洋薬と漢方薬の製法の違い」は以下のようになります。
◆西洋薬=化学合成された物質が多く、
1つの成分で構成されており、
1つの疾患、症状に強い薬理作用を示す。いわば「単純主義」。
◆漢方薬=自然の生薬を使用し、
原則として二種類以上の生薬の配合で構成され、
多くの成分を含んでいるので、様々な症状に対応する。
いわば「複合主義」。


ですから、西洋薬はケガ・外傷や感染症といった
病原が単純化されている病気にはよいでしょうが、
検査でも原因がわからないガンやアレルギーのような
複雑な慢性難病、
つまり体質全体にからむ病気には漢方薬が向いている――
そう考えたら早いと思います。

こと、ガンに限りません。
とくに中高年になると、いろいろと老化病に逆らうわけにはいきません。
しかし、コレは切り傷やタンコブとは違う複雑病ですから、
少しでも心身の全体のバランスを図って体質を改善する
「漢方力」の知恵には、もっともっとお世話になることになります。

医師の間では、盛んに「東洋医学はいかがわしい」
「西洋医学が科学的で優れている」とされて、
マスコミでもこの考え方に盲従しています。
もし、局所ごとの対処療法しか出来ないのが、
現実の医療現場だとすれば、
とくに慢性難病を抱えた中高年患者は、
コレは「なんとも心もとないことだ」と
不安に思うのが当然でしょう。

患者は複雑病や慢性病、老化病が、少しでも改善され、
少しでも「元気で長生き」の方策が見つかればよいわけですから、
これからは西洋医学以外の療法も慎重に、
また、したたかに捜し求めて
組み合わせる工夫が必須の時代だと思います。

ガン、糖尿病、心臓疾患はもちろんのこと、
頻尿、前立腺、うつ病、不定愁訴といった慢性病とは、
上手に付き合って「寝たきり長生き」ではなく、
「元気で長生き」していくことが、ますます大切になってきました。
たしかに、いまの医療は西洋医学一辺倒で作られ、
保険医療制度もそれに従ってシステム化されているわけですから、
西洋医学の「欠陥と限界」を補完する、
たとえば、漢方のようなもうひとつの療法に着目して、
治療法・養生法を組み合わせることが、患者に必要になって来た――、
僕は10年にわたる闘病体験の中で、
そう考えるようになったのです。


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2009年4月22日(水)

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