第151回
「寄らば大樹の陰」ではいけない
10年前のガン病棟“脱走”以来、
なんとか「延命」できたわけですが、
これは、体にダメージを拡大させる治療法を避けて、
なるべく、ガンに負けない体質を作る養生法を工夫し、
それを継続できた賜物だと、僕は感謝しています。
もちろん、世間の常識、病院の常識に逆らう、
選択でしたから、不安がないといったらウソになります。
人間って弱いものですから、
人生の判断に迷うと、どうしても
「寄らば大樹の陰」「長いものに巻かれろ」と、
大勢に身をゆだねてしまうことが多いものです。
買い物をするにしても、株式投資をするにしても、
情報の真偽を確かめてから決定することは常識ですが、
こと「いのち」の場合、この原則が忘れがちではないでしょうか?
とくにガンのような正体不明な病気になればなるほど、
すべて他人任せ=医師任せ、病院頼み、
医科学妄信になってしまう・・・
これはとても危険なことだと思います。
はたして、国や病院のガイドラインに任せっぱなしで、
ほんとうに「いのち」は助かるのでしょうか?
とくに、この情報過多の時代には、より情報網を磨いて、
自分自身でことの真偽を確かめ、納得した上で、
「いのちの選択」の最終判断を下すことが大変でしょう。
しかし、かといって、ひとりぽっちで決断を下すのは
なかなか難しいものです。
僕は、10年前に迷いに迷った末に
「ガンを切らない」選択をしたわけですが、
それには、妻と二人の親友の強い支えがあったから
出来たことでした。
近刊「ガンを切らずに10年」にも、次のように書きました。
<外科医の娘である筆者の妻と、
愛称”絶倫くん“と”バクさん”という二人の親友が、
人一倍熱心な薬草マニア、健康マニアであったことが幸いしました。
「切らずに治すガンの治療もあるはずだ」と、
これまたインターネットと口コミで
漢方薬や健康食品を探しまくっては
ベッドの回りに積み上げたのです。>
10年たって、先日、その親友の“絶倫くんと”“バクさん”からも、
久しぶりに感慨無量といったメールが届きました。
<関根大師様 出来上がったご本が届きました。
十年一昔とはいいますが、一昔経っちゃったんですね。
ちょっと信じられない早さです。
ガン災害から10年経って大師が健在というのも
不思議な感慨がありますが、
しかし、もう10年も経ってしまったというのも驚きです。
10周年記念の飯でも食わないといけませんね。 絶倫より>
<ご無沙汰しています。
「元気で長生き10周年記念」の出版、おめでとうございます。
軽妙な語り口の内にしっかりツボを押さえた著書を拝読し、
お見事!そして元気だなあ……と、感服いたしました。
今や「いのちの達人」として、関根さんご自身の存在が、
難病に苦しむ人たちの希望の星になっているのではないでしょうか。
ちなみに僕も関根さんに触発され、
玄米食に転換して10年になります。
そのせいか、ここ数年、すこぶる体調が良く、
肉食をしていた頃のような身体の冷えを感じることがありません。
いずれにせよ、人生はまだまだ続きそうですので、
ほど良いペースで長く楽しくやりたいものですね。 バクより>
ありがたいことです。
この10年、妻とこの親友が「命綱」となってくれました。
人生って、ほんとうに「運」と「縁」で
様変わりするものなのですね。
みなさんも人生のよき同伴者、
よき伴走者を持っておられるでしょうが、
こうした「絆」をより大事にして、
人生を上手に渡って生きたいものだと思います。
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