ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第148回
長生きも若返りも芸のうち

僕たちの会で奨めている、スローヘルスとは
スウェーデンの植物学者・リンネの
「自然は飛躍せず」(Natura non facit saltum)=
自然はゆっくり、ゆったり、しなやかに変わるものだという
金言にちなんで命名した処世造語です。

また、僕の好きな作家の山本周五郎も
「ながい坂」という長編小説の中で、
主人公に次のようにしみじみと語らせています。
「人間の一生は長い、一足とびに登るより、
一歩々々を大切にせよ」と。
スローヘルスとは、
こうした「ゆったりと元気で長生き」を掴んでいこう
という人生観に共通する発想法です。

人生若返りの達人といえば、僕の先輩にたくさんおられます。
hiQの主宰者であり、
この3月で85歳となられた邱永漢さんもお1人ですが、
僕の敬愛するジャーナリストの先輩に
小石原昭さん(81歳)がおられます。

長いお付き合いの中で類推するに、
その元気で長生き若返りのヒケツは
次の3つを貫いているからのようなのです。

1.養生の合間に仕事をせよ
2.わがまま一杯、好奇心
3.イキのいいカネを使うべし


前に、元気のヒケツを確かめたことがありましたが、
ズバリ、次のように答えてくれました。
「自分が年老いてから、
財産を子どもに残して死のうなどと考えるからイカンのです。
減らしながら死んでいけばいいと思って暮せば
気楽に毎日を楽しめるし、元気で長生きもできるんです」と。

なにはさて置いても、まずは
「自分の“いのち”にしっかり投資する」――、
とくに老化が年齢を重ねてくる年頃になったら、
この人生観は大切です。
もちろん、ガンと宣告されても、
無駄なお金は使うことはありませんが、
ここぞという早い時期に、
治療費や養生代をケチってならない・・・
僕は長い経験でそう感じています。

いま医療費、保険料負担が増える一方で、
イザというときに個人が受け取れる年金などは激減しています。
若いときは、なかなか分からないことですが、
「いのちあってのモノだね」という言葉が、
中年になってくると実感できるはずです。
ガンが再発・転移して、いわゆる末期症状を呈してから、
あわてて高い化学薬や高額な代替療法にすがっても、
ガンの浸潤が早くて間に合わないケースが多いものなのです。

300年前の病気知らずの達人・貝原益軒が名著「養生訓」で
次のように書き残しています。
「もし養生の術つとめ学んで久しく行はば、
身強く病なくして、天年を保ち、長年を得て、
久しく楽しまんこと、必然のしるしあるべし」と。

僕は「50歳から病気知らず」という本で、
次のような「スローヘルスの3原則」を立てたことがあります。
長寿難病時代には「衣食住」より
「医」「食」「財」の大養生に備えよ――

1.医養生のすすめ――50歳からは“養生が一番”
2.食養生のすすめ――50歳からは“薬より食事”
3.財養生のすすめ――50歳からは“若さに投資”

まさに「長生きも若返りも芸のうち」――
ここが長寿難病時代に克つ、
スローヘルス処世学のキモだと思います。
人生折り返し点からの後半生をいかにゆったりと過ごすか? 
己自身をしなやかに掴むか? 
いまや「元気で長生き」も芸のうちなのです。


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2009年4月13日(月)

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