第145回
働き盛りのための新「いのち学」(2)
僕自身、「一日一生」(内村鑑三)とか、
「正念工夫」(白隠禅師)とか、
さらに「私は弱いときに強い」(パウロ)といった、
自分で気に入った先人達人の名言・金言を拝借して
「患者こそ主治医」と思いつき、
これをちょっと哲学めいたキーワードで
「スローヘルス養生法」と命名。
体だけでなく心も魂も、
「いのち」丸ごとで、精一杯に生きるように人生設計しようと
10年間続けてきたわけです。
お蔭で、いまは患者だけでなく、
家族や友人、働き盛りの仲間たちやジャーナリスト、
また心ある医師の皆さんが集まって
「スローヘルス研究会」という養生社交クラブを作って、
人生はゆったり、ゆっくり=温和=スローヘルスに過ごそうと
励ましあって、ワイワイやっているわけです。
もちろん、最近は病院の医術も日進月歩で進歩して
長寿社会を享受できるようになってきました。
しかし、反面、ご存知のように偽食が氾濫して食生活が乱れ、
過剰なストレスも蔓延する社会となりましたから、
健康な人、病人を問わず、誰しもが「長寿元気」どころか、
「長寿難病」の不安を抱えるようになってしまいました。
ただ「切ったり」「焼いたり」「叩いたり」という、
手術や化学劇薬による病院頼みでは手に負えない
病気がたくさん出てきたわけです。
さらに、いまや75歳以上が1276万人と
人口の1割を超え、50歳以上が半数に迫り、
国家の医療費も年金財政も逼迫し、
病院がどんどん減っています。
「貧乏人は死になさい」といった
困った風潮すら起っておりますから、
まさに日本は「長寿病弱国」に様変わりした
といったらよいでしょう。
というわけで、僕はこの10年、
応急処置では病院に行くにしても、
その前に「己の身は己で守る」、
つまり「他癒力」から「自癒力」への発想転換を仲間と一緒に、
より一層、推奨するようになりました。
ちょっと、だるい、風邪気味だ、腹が痛い、頭痛がひどい・・・
などというと、すぐ薬や病院に頼ってしまうクセがついています。
しかし、じつは最近の医学書やマスメディアでは触れられませんが、
人間の「自然治癒力」って馬鹿にしてはいけない・・・
僕は、長い闘病体験でこの発想をじっくりと体感しました。
スワっ!病気か、ガン再発か、大変だとあわてる前に、
以下のような「自癒力」を高める基本3原則を励行するようにして
丸々10年間、延命を続けてきたわけです。
1.体を冷やさないで温める。(温和)
2.食べるだけでなく快く出すクセをつける。(排毒)
3.ストレスを溜めずリラックスを保つ。希望にときめく。(希望)
えー?そんなこと分かっているよ、
えー?それで病気が防げるはずがないだろう・・・
と言う人が多いと思いますが、
これを継続し、日々実践できないところに、
働き盛りの病気やストレスの「落とし穴」もあるのです。
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