第144回
働き盛りのための新「いのち学」(1)
もう4半世紀も前の昔の話となります。
僕の30代、40代とは「年商100億円、毎号売上100万部」
の週刊誌の編集長をしておりまして、
当時は景気も絶好調でしたから、
二晩三晩の徹夜は当たり前、猛煙飽食を日々重ねながらも、
いささか自信過剰気味に過ごしておりました。
ところが油断大敵とは起るものですね。
50代に入ってから下腹がぶくぶく太ってきたかと思うと、
どうも体がだるくなり、
とうとうストレスが高じて52歳で役員を退任。
会社を辞めてしまうはめになったのです。
突然、胃のあたりがキリキリと痛み出し、
おかしいおかしいと散らしているうちに、
58歳で、とうとうご飯どころか豆腐も飲み込めなくなり、
あわてて病院に駆け込むと、なんと
「長さ6センチ、ソーセージ大の悪性腫瘍が
食道を塞いでいる」というのです。
食道の進行ガン・第3期と診断され
「頭の中は真っ白、人生の一寸先は真っ暗」・・・
働き盛りに「好事魔多し」とはこのことでした。
まるで患者を「壊れた機械」のように扱う、
3分間治療や検査漬け治療、
そして手術の後遺症や化学劇薬の副作用で
いのちを落とす患者仲間たち・・・
患者実態とかけ離れているガン病棟の医療システムについては、
とてもイヤな思いをしました。
しかし、人生とはただ落ち込んだり、
あきらめることはありません。
「運と縁」という賜物にも恵まれることがあるものです。
僕の場合、外科医の娘である妻が
「食道ガンの手術は100人に80人が助からない」という情報を入手し、
また、日頃から漢方薬やサプリメント、
さらに精力剤に詳しい「健康オタク」の親友が
「ならば、一刻も早く退院して、切らずに治そう」と
ガン病棟脱出を図ってくれたのが幸いしました。
詳しい話は、拙著「母はボケ、俺はガン」(日経BP社)や
「ガンに打ち克つ“いのちの手帖”」(二見書房)
「ガンを切らずに10年延命」(ダイヤモンド社)
といった本に書きましたので、
そちらを読んで貰いたいわけですが、
僕の場合は「放射線+抗ガン剤+
天仙液(中国の複合漢方薬)+SOD(健康補助食品)」という、
ちょっとユニークな組み合わせ療法で
奇跡的にガン腫瘍が消滅(専門的には寛解といいます)したことは
このコラムでも何度も書きました。
以後、主治医になっていただいたホリスティック医療の草分け・
帯津良一先生の漢方煎じ薬と
「天仙液」+「マクロビオティック玄米菜食法」を
組み合わせた養生法を日々励行し、なんとか、
ガンを「切らずに10年」延命してしまったことになります。
「あせらない、あきらめるなよ、あわてない」と、
わが身わが心に言い聞かせたことが功を奏したようでした。
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