第139回
よい医師、よい病院の条件とは
ホリスティック医学の権威で、
僕の主治医である帯津良一医師は、
よい医師とは「患者の寂しさが分かる医師だ」と断言します。
至極、名言だと思います。
「患者の寂しさが分かる医師」とは、
検査機器や化学薬ばかり血眼になる医師ではなく、
患者と医療従事者の信頼の統合=
信頼のコミュニケーションに腐心することを
第1と考える医師だ――、
というわけですが、筆者もこうした「規準」で
医師の人柄や病院の信頼性を見分けるようにしています。
とはいっても、現実には、どちらを見ても
マニュアル医師や病院ばかりで見つけるのは
至難のワザですが、あきらめは禁物です。
探せば、なかなか心ある医師もおられます。
敬愛していた外科医に土屋繁裕(つちやしげひろ)さんという、
じつに人情味溢れる医師がおられました。
残念にも49歳で過労が重なって他界してしまったのですが、
ドクハラという医師の「患者いじめ」を警告する流行語を
発案した人ですから覚えている読者もいるかも知れません。
まず第1に、「患者が丸椅子に座って医師が
肘掛け椅子にふんぞり返っている」――
こうした医師がいる病院は止めた方がよいというのが、
土屋医師流の判断基準でした。
以下は、拙著「ガンを切らずに10年延命」にも
取り上げさせていただいたものですが、
土屋医師があげた
「病院選び、医師選びのチェックリスト」
「注意すべき病院と医師のチェックリスト」です。
≪病院選びのチェックリスト10か条≫
(1)希望もしないのに、検査入院をすすめる」病院は避ける
(2)いきなり大病院やブランド病院にいかない。
(3)病院選びの地域を広げる。
(4)セカンド・オピニオン(第2の医師の意見)は
3箇所以上から得る
(5)セカンド・オピニオンを申し出て、
嫌な顔をする医師や病院は敬遠する
(6)受付や事務の電話対応が悪い病院は敬遠する
(7)受診して病院スタッフ(医師、看護師など)の
対応の悪いところは敬遠する
(8)病院選びも情報戦 あらゆる手立てを使って評判を確かめる
(9)インターネットなどで個人情報を提供している病院を選ぶ
(10)家族と協力して、足と時間を惜しまずに
多くの病院を実感する
≪おかしな医師のチェックリスト≫
(1)挨拶ができない医師
(2)話をする時に目線を合わせない医師
(3)威張った医師
(4)怒りやすい医師
(5)治療を急ぐ医師
(6)知ったかぶりをする医師
(7)専門用語を平気で使う医師
(8)手術の自慢をする医師
(9)恩着せがましい医師
(10)平気で長期間、薬を飲ませる医師
(11)意味なく定期的に検査する医師
(12)治療を押し売りする医師
(13)資料を貸し渋る医師
(14)患者を実験動物のように考えている医師
さて、では、前回紹介した、
帯津良一医師の「ホリスティック医学入門」では、
どんなチェックリストを挙げているか?
明日、それを検討してみましょう。
人間に優しい医療を実践した土屋医師と
ホリスティック医学の帯津医師の
「医師と病院の選び方」の規準を読めば、
きっと、困った時の参考になるはずだからです。
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