第125回
ウンチは“いのち”のバロメーター
<排毒><温和><希望>――
これが「ガンに負けない養生3原則」だという話の続きです。
さて、僕のマクロビオティック玄米菜食法の師である
食箋(しょくせん)指導者の山村慎一郎さんは、
「むすび」誌の2008年10月号の『陰陽まるわかり』
というコラムで、「排泄の要『大腸』」と題して
「食べるより出す」の玄米菜食法の知恵が、
いかに優れたガン撃退の養生法であるか?
「ウンチは“いのち”のバロメーター」だと
面白い記事を書いておられますので、抜粋紹介します。
*
「死が近くなると排尿排便ができなくなってきます。
呼吸も最期は吐き出さなくなって息を引き取ります。
こうしてみると排泄って本当に大事なんだと思います。
その排泄をになっているのが大腸です。
大腸には腸内細菌が棲んでいて、
食物の分解あ吸収を支えてくれています。
腸内細菌は、全てあわせると約1sにもなり、
その働きから、第3の臓器と言われています。(略)」
「肉食民族の欧米や中東では、
食材の腐敗や便秘を解消するために
香辛料がたくさん使われてきました。
日本は穀物や野菜を中心の食事をしてきましたが、
いまでは食生活は欧米化して
よく肉を食べるようになってきました。
こうした食生活の変化の中では、
大根やねぎ、しょうが、ニンニクなどの辛味が不足すると、
気の流れや水分の発散が滞って、
肺や呼吸器、皮膚の負担を増大させることになります。
また腸内でのたんぱく質の腐敗をもたらし、
胃腸の疾患をはじめ、
生活習慣病の誘引ともなっています。(略)」
ウ〜ん、まさにその通り。
皆さんも経験があるように便秘ぐらい気分が悪く、
心身を不調にさせるものはありません。
山村さんの解説ってとても分かりやすくて面白いと思いませんか?
このコラムの中で、山村さんは対策法として
「砂風呂」の排泄効果が素晴らしいと奨めています。
詳しくは月刊「むすび」や単行本を読んでほしいのですが、
薬味なしに肉をたらふく食べることは「百害あって一利なし」と、
いま流行の「過食・飽食・美食・暴食」に警鐘をならしつつ、
いかに玄米、雑穀や根菜類を食べることが、
排便力をつける上で大切かを説いているわけです。
僕自身、この高タンパク、高脂質の過食をやめて、
玄米菜食を10年続けたおかげで、
ガンの再発や転移を逃れることが出来たわけですから、
日頃の健康・美容の要諦として、
みなさんにもお奨めしたいと思います。
では、山村さんから教わった
「食べるより出す」=「排便力」を身につけるために
どんなことを続けていたか? 少し書いておきましょう。
食べるより出す――
日々、玄米菜食を続けて排便力をつけるといっても、
僕たちは修行僧のように山寺に篭って
生活しているわけではありません。
というわけで、外食したり、会食したり、
また、海外旅行にでかけるときは、どうするか?
前にも少し書きましたが、なるべく和食や中華料理にして、
肉類ははじいて食べるようにしています。
海外に行くときは飛行機の中でベジタリアン料理も食べられます。
しかし、やはり、大抵が精製砂糖や動物性油を使って
調理されており、繊維質の多い根菜煮物は
玄米菜食に比べたら量も少なく、全体に脂っこく、
腸に腐敗物を貯めやすくなってしまいます。
食べ過ぎると便秘や下痢になったりもします。
「食べるより出す」とは「言うは易く行うは難し」で、
なかなか簡単に出来ることではありませんね。
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