第91回
ガン治療は、もっと優しくならないか!
ガンは「がんばらない」とか、
「ガンと仲良く」「ガンは切らずに 無理せずに」といった、
心ある有名医師からの本が出るようになって、
最近は、とてもよい傾向だと思います。
しかし、ガン病棟の現場はどうなのしょうか?
現行の医療制度では、「切る」「叩く」「焼く」という、
手術、抗ガン剤、放射線治療しか、
標準治療として認めていませんから、
多くの患者が、拡大手術の後遺症や、
強い化学劇薬の副作用で苦しむ。
いや、ガンそのものではなく、
ガン治療でいのちを縮めるケースも多いわけです。
どうして、こんなに一生懸命、闘っているのに
俺のいのちが蝕まれていくのだ!・・・
多くの患者さんが悲しんでいます。
標準治療の手立てがなくなれば、
病院からは、もう治療は出来ません、余命半年ですから、
緩和病棟か自宅で「死を待ちましょう」などと、
むごいことを言われ、見放されるのが現実です。
これが「患者漂流」「ガン難民」といわれる現象です。
どうも医師のガン&人生指南書と、
全国のガン病棟の現実とでは、
大きなギャップがあるようなのです。
僕にしてもガンと激しく闘うのはいけないと
頭では分かっていても、つい、体調不良に見舞われたりすると、
「やはり切らなきゃ駄目かな」「魔法の抗ガン剤はないか」と、
何度も何度もあわてふためいたものでした。
しかし、長年、ガンと付き合って、
自身の症状や仲間の様子を見るにつけ
ガンは切り傷や感染症とはちがう、
いわば「突発性の老化病」だから、
局部を切り取っただけですむものではない、
「神の手のような医師はいない」「魔法の抗ガン剤はない」
といったことも分かってきますから、
元気に長生き、納得して長生きする極意とは、
自分自身を、ガンに負けない「心質と体質」に
作リ変えることが基本だということが、
ひしひしと分かってきたわけです。
僕は、いろいろな患者さんと、「希望こそ良薬 あきらめは毒薬」
「あわてない、あきらめるなよ、あせらない」といいつつ、
励ましあっていますが、
賢いガン患者学のポイントはここにあります。
「久病良医」(長く患った患者こそよい医師である)、
「病気は患者が治して医師は包帯を巻く」といった
名言もあります。
これからの日本は、2人に1人がガンになる「長寿病弱国」です。
ガン病棟の現実、ガン医療制度の現実が、
患者の切なる期待に応えられないのであれば、
漫然と、医療改革を待つだけでなく、自らの家庭で
「ガン患者学」の心得をしっかり組み立てることが大切です。
というわけで、2月発売予定の
「ガンを切らずに10年延命」(ダイヤモンド社)は、
ただの患者体験記ではありません。
「患者漂流」「ガン難民」の時代に、
どうしたら元気に長生きできるのか?
どうしたら納得した人生を設計できるのか?
いまこそ「東洋医学」や「薬食同源」の知恵を見直そう!
もっと優しく、和やかな
「治療の知恵、人生設計の知恵」を大事にしよう!
長寿時代の日本人の知恵=逆転の発想について、
具体的に提案した「ガン患者学読本」です。
政治経済のみならず、いまや、生命までもが、
欧米モノマネ一辺倒主義に埋没しています。
薬食同源、東洋医学などというと、
胡散臭い、馴染みがないという人も多いと思いますので、
本書では図解も満載してすらすらと読めるように工夫しました。
せび、ご家族と一緒にゆったりと読んでみてください。
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