ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第86回
菜食主義者・宮沢賢治の童話「ビジテリアン大祭」

トルストイ、ガンジー、賀川豊彦といった
無抵抗主義者のみならず、
幸徳秋水やその仲間といわれた無政府主義者・社会主義者には、
じつは、ベジタリアンや菜食・粗食主義に
共鳴する人が多かった――、
わが身の「いのちと食事」に照らして、
生命連鎖についても地球環境について、
それこそ「平和」についても、一人一人が
見直す時代ではないか?――
という話をもう少し続けましょう。

ちなみに、菜食主義者(ベジタリアンvegetarian) とは、
肉や魚や鶏類を決して食べない人々のことをいい、
完全菜食主義者は、乳製品や卵も避けます。
19世紀半ば、英国ベジタリアン協会で使われた言葉で、
ラテン語 のvegetusに由来し、
「心身ともに健康で元気で生命力に溢れた人」を意味するようです。

というわけで、肉類を食べないベジタリアンといっても、
その理由や考え方には、いくつか違いがあるようです。

1.宗教・思想上の理由。
  肉食が不殺生戒を破ると主張をする考え方。
2.健康上の理由。
  肉食は腸内に老廃物を溜め、血液に活性酸素を増やして
  ガンなどを併発するという考え方。
3.エコロジー・環境問題からの理由。
  動物にも人と同等の権利があるとする動物保護の考え方。

大正期の菜食主義者といえば、
なんといっても有名なのは、詩人の宮沢賢治ですが、
童話「ビジテリアン大祭」という作品を書き、
菜食主義者と混食主義者の論争を載せていますが、
菜食主義者を二派にわけて
「同情派と予防派との2つになります」と解説しています。

<同情派と云いますのは、私たちもその方でありますが、
恰度(ちゃうど)仏教の中でのように、
あらゆる動物はみな生命を惜しむこと、
我々と少しも変りはない、それを1人が生きるために、
ほかの動物の命を奪って食べるそれも1日に
1つどころではなく百や千のこともある、
これを何とも思わないでいるのは全く我々の考が足らないので、
よくよく喰べられる方になって考えて見ると、
とてもかあいそうでそんなことはできないと
こう云う思想なのであります。>

<予防派の方は少しちがうのでありまして、
これは実は病気予防のために、
なるべく動物質をたべないというのであります。
即ち肉類や乳汁を、あんまりたくさんたべると、
リウマチスや痛風や、悪性腫脹(しゅちょう)や、
いろいろいけない結果が起るから、
その病気のいやなもの、又その病気の傾向のあるものは、
この団結の中に入るのであります。>

僕などは、ガンという健康上の理由から、ベジタリアンならぬ、
マクロビオティック玄米菜食法の励行者になったわけですが、
健全なる精神は健全なる身体に宿る・・・というわけで、
わが身の健康から、生命全体の“平和”を発想するのがよいと
考えています。

ところで、宮沢賢治の菜食主義については、
「いのちの手帖」第5号に、
作家で詩人・野口雨情氏のご令息の野口存彌さんが
<「一日二玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ」――
宮沢賢治と食物連鎖>と題してエッセイを寄稿されています。


←前回記事へ

2009年2月10日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ