第82回
「健康が地球を“平和”にする」
肉食やスイーツ類の過食に走るのでなく、
玄米菜食や有機食品の効用が見直すべきだ――、
地球環境だ、エコだと、ただ大上段に、
頭でっかちの論理を振り回すのではなく、
これからは、家庭の「食事が心身を温和にする」
一人一人の「健康が地球を平和にする」時代と考えるべきだ――
という話の続きです。
まえにも少し紹介しましたが、
大阪・正食協会の会長で月刊誌「むすび」の発行人である
岡田定三さんは、「いのちの手帖」第5号で、
<「健康と平和」――
いま正食による“内なる改革”が起こっている>
と題して、エッセイを寄せておられます。
それによると、マクロビオティックの開祖・桜澤如一が
岡田さんに奨めた「むすび」誌の最初のタイトルは
「健康と平和」だったという秘話が明かされていますが、
岡田さんは、桜澤如一が示した
マクロビオティック食養生法の奥義が
この「健康と平和」にあるとして、次のように書いておられます。
<(桜澤)先生の狙いとされたのは
万人に幸福の道を示すことにあったのです。
その幸福の内容はまさに「健康と平和」において
ほかにはないのです。
究極のところすべての人が望む無病息災健康長寿であり、
そして安らかな心であり家庭や社会の平和でしょう。
そのために先生は数百冊の本や雑誌を出され、
世界中を駆け巡られたのです>と。
そして、マクロビオティック食養生法から考える
「健康」の定義といいますか、
究極の原理を次のように解説しています。
<「健康とは何か」
「物質にとらわれず、精神に偏せず、物心一如、
心身脱落、滅私奉公、清きこと風邪のごとく、
明朗なること春光のごとく、義によって立てば秋霜のごとく、
人を容れること蒼空の広さに似た心境に達した境地をいう。
つまり健康とは達者ということ、「道」「神に返る道」を発見し、
達した者というこころであります。
「神に返る道」即ち「正しい食物」であります。(略)
行住座臥(ぎょうじゅうざが)が秩序であり、
自由であり、無理がなく不平がなく、喜びがあって、
災禍もたちまち幸福に転成するほどの心身の状態であります。」
この健康の定義を見たとき、
これは先生に生きざまそのものではないかと思いました。>と。
「健康=達者」「健康が地球を平和にする」――、
マクロビオティックの奥義は、「正しい食物」によって、
体のみならず、心身丸ごとに、
自由と平和を得る「道」だというわけです。
マクロビオティックとは、
マクロ=大いなる、ビオ=いのちの、
ティック=処世術・・・といった意味で、
桜澤如一が命名したものですが、
ただ食事を変えるだけで、
排便や体調がよくなる効用を追うだけでなく、
人間関係や国家間交渉にも一大転換をもたらす・・・とすれば、
マクロビオティックとは、大生命の全体哲学の粋をいった
まさに究極・無双の原理=「偉大なる知恵」といえましょう。
たとえばの話ですが、国際的な環境会議でも、
政争や戦争の“和平”交渉の会場でも、
豪華絢爛な肉食料理ではなく、
さわやかに穀物菜食メニューを出すぐらいの
勇気を持つリーダーが出てくるとすれば、
あっという間に「食事と健康」による平和外交・和平交渉が
生まれるのではないでしょうか?
「そんなバカな?」と呆れているヒマはないと思います。
闘争むき出しのリーダーたちの
内臓の悪そうな顔つきをみていると、
そう思いたくなるのは、僕だけでしょうか?
厳しくマクロビオティック玄米菜食法をやらないにしても、
週1の「ベジタリアン」でもよいと思います。
あなたも挑戦してみてはどうでしょうか?
|