ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第72回
あなたは「好戦派」か、「和戦派」か?

邱永漢さんが10年前に書かれた「マネーゲーム敗れたり」
という本の予言が的中して、話題を呼んでいます。
1997年のアジア金融不安に端を発した世界不況の
「元凶はドルの濫発であり、やがてドルの凋落がはじまる」
と予言しておられ、その再版本が贈られてきまして、
この正月休みに再読したのですが、なるほど、
「いま起っている世界不況とそっくりの仕組み」
が解明されているのには、
さすが邱先生と、その慧眼に驚いたものです。

すでに読まれた皆さんも、
改めて、アメリカ一辺倒ではなく、
日本・中国・アジア諸国を結んだ
新たな経済圏の中長期展望に共鳴し、
事業や投資の「次の手」を準備していることでしょう。

ところで、気になることが一つあります。
この世界大不況の嵐の中でアメリカ大統領が交代して、
公的資金投入、環境産業重視などが奏功して、
バラ色の展開があるやも知れずと期待している向きがありますが、
むしろ頻発している「戦争の臭い」が気にならないでしょうか?
バクチのような世界投機が行き詰まり、
実体経済が需給のバランスを喪失したからといって、
戦争やテロによる「生命大虐殺」で
荒治療しようとする動きは許されません。

ちなみに不況対策については、
1930年代・大恐慌後のルーズベルト大統領の
「ニューデール政策」=「公共事業による有効需要の創出」
とよく比較されますが、
1930年代不況と「第二次世界大戦」、
1980年代不況と「湾岸戦争」・・・と、
アメリカ経済は戦争によって立て直す
歴史の裏の顔を持っています。

この図式を思い起こすと、
さらなる混沌の悪循環が起るのではないか?
そして、いつもアメリカのツケを回されて
日本は不況をかぶる――、
もう、これだけは、たまりませんね。

では、どう考えたらよいのか?
その答えも、すでに何度もhiQの中で邱永漢さんが書いています。

第566回「経済の新しいシステムを考える時です」
を再読してみましょう。

≪大不況のドン詰まりは戦争ということになりますが、
戦争の被害は人類の滅亡につながるところまで
来てしまいましたから、
そういう解決の仕方を選ぶのは利口なことではありません。
恐らく満ちたりて困るとしても、それに甘んずるか、
満ちたりても困らない新しい生き方を工夫するか、
2つに1つでしょう。
アメリカが日本のあとを追って、
ピンチにおちいってきましたから、
いよいよそうした矛盾の解決に真剣に取り組む時が来た
と考えてよいでしょう≫

さらに、心配なのは日本の政治家が
「小手先の減税」や「小銭のばら撒き」で
その場を凌ごうとしている姿勢です。
邱永漢さんの先見にもっと耳を傾けて、
アジア長期戦略を視野に組み込んだ、
新たなる「国家の大計」を
子々孫々の利福ために明示すべきときでしょう。

「国家の大計」などといいますと、
日本国憲法の戦争放棄条項を否定するような、
なんとも猛々しい論考も突出しますが、
太平洋戦争の体感派としての僕などは、
とても賛成はしかねますね。
政治家でも経済学者でもありませんので、
大言壮語は吐きませんが、
これだけ情報がグローバル化した時代です。
人間の知恵とは
「地球上の人たちの利福をはかることにある」・・・、
これくらいのことは、もう誰もが分かっているわけですから、
危急のときの「好戦」論はもっとも危険です。
国家経済や地球環境の巨視的なレベルだけではありません。
個人のライフスタイルや生命維持にも、とくに
これからは「和戦」の心得から知恵を出すべきで時でしょう。

話は飛びますが、僕はこの2月初めに、
「ガンを切らずに10年延命」(ダイヤモンド社)
という新刊を出します。
詳しくは、改めて紹介させていただきますが、
“腹切り武士”のように、ガンと「好戦」するのではなく、
ガンと「和戦」して命を掴んだという話です。
あなたの将来設計は
「好戦派」でしょうか?「和戦派」でしょうか?


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2009年1月27日(火)

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