第70回
中高年のための「漢方生活」
ことガンに限りませんが、
中高年の慢性疾患や体調不良とは、
老化の進行や体全体のバランスの崩れから起るものですから、
胃の調子がオカシイからといってただ痛み止めや、
消化剤を飲めばすむというものではありません。
前回、書きましたように、
僕の「胃ガン原発」騒動も、じつは胃ガンではなく、
体が冷えて持病の椎間板ヘルニアが起り、
胃の神経まで圧迫したことが原因だったようで、
帯津良一医師の漢方せんじ薬と王振国医師の天仙液に加えて、
天仙栓(てんせんせん)という座薬を使うことで、
全体のバランスが正されて、無事、治まりました。
ことほどさようで、とくに老化現象を伴う、
いろいろな慢性病は、漢方生活を充実し、継続することで、
クリアできることが多いように思います。
この暮に、どうも小便が近くなり、夜も3度も、4度も
トイレにおきなければならないので、困っておりました。
たしか、胃潰瘍騒動の検査で、
エコー(超音波)検査をしてもらったとき、
胃の方は正常に戻っていたのですが、
検査の医師から「おしっこが近くありませんか?」
といわれたのを思い出しました。
人並みに軽度の「前立腺肥大症」になったようでした。
というわけで、メディアで盛んに宣伝されている
「ノコギリヤシ」といったものを飲んで見ました。
これは女性ホルモンを増加させる効果があるようですが、
即効性はわかりませんので、
いろいろと思案していましたら、
どうも季節が寒くなったせいか、
足が冷えて、腰も痛んで、足もしびれていることに気づきました。
椎間板ヘルニアの圧迫で、
前立腺周辺の神経にも触っているのだナ
と思って、帯津医師に相談すると、
「八味地黄丸」(はちみじおうがん)の顆粒を飲むように
処方されたのです。
さて「八味地黄丸」とは、よく聞く名前の漢方ですが、
その効能書きを読んで納得しました。
≪「八味地黄丸(はちみじおうがん)」は、
漢方の原典である『金匱要略(きんきようりゃく)』
に記載されている漢方薬で、「なかなか疲れがとれない」、
「腰が痛い」、「小便の出が悪い」、
「夜何度も小便に起きる」等の症状がある時に用いられています≫
≪疲れやすくて、四肢が冷えやすく、
尿量減少または多尿でときに口渇がある次の諸症:
下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、
かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ≫
とあるではないですか?
それに加えて、また王振国医師の「天仙栓」を少々使ったところ、
体の冷えも改善され、夜、トイレに行く回数が減ってきました。
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