ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第67回
読み方注意!

最近は、著名な医師による
「ガン患者学」風のマニュアル書が
いろいろと出るようになりました。

「インフォームドコンセントが大切だ」
「セカンドオピニオンの時代だ」――
と患者本位の医療の奨めが述べられ、
ガン病棟では「バラ色」の治療がなされているから
「安心しなさい」といった内容が大半です。
これはよい傾向です。

しかし、どうもよく読むと、
再発や転移の不安を抱えて苦悶している患者の実態とは
大きくかけ離れているものが多い。
さらに、親身な患者との対話など
伝わってこないことが気になります。
どうして、こんな違和感があるのか?
それは、ガン病棟の患者や家族の生の声に
対峙しているのではなく、
自分たちの「標準治療ガイドライン」と「病院運営の都合」に
「患者は合わせなさい」=「それがよい患者です」
という態度で書かれているからだと思います。

たとえば、患者が気にしている
「抗ガン剤の問題点」についても、
「真面目に服用を持続すればガンが治る」
ということは書いてありますが、
こうした化学薬は「毒薬」と分類されているものであること、
大半の抗ガン剤の奏功率は20%程度に過ぎないこと、
激しい副作用の疼痛・激痛を伴うものであること・・・
本当に患者が知りたい情報は書かれていないのです。

前に「買ってはいけない」という連載や本が、
「週刊金曜日」という雑誌社から出て、
以来、「食べてはいけない」「使ってはいけない」といった
有害食品や有害化粧品などを告発する本がブームになりました。
その「週刊金曜日」の書評欄には、
毎号「読んではいけない」とか「読み方注意」
という書評コーナーがありますが
患者学風の様相をこらし、
医師や病院の言い分に絶対服従せよ・・・
といった態度がちらちら見えるガン治療本は
「読んではいけない」、いや「読み方注意」の本
といえるでしょう。

ことガン治療の報道、情報については、
ほとんどが、公認されたEBM(標準治療)、
つまり、手術、抗ガン剤、放射線、
そして一部の免疫療法に限られた治療しか紹介しません。
僕は、長いこと雑誌の仕事をしていたので、
マスコミの内情がわかるのですが、
大きなメディアは、患者が併用している代替療法などは
「非科学的な治療法」として、
頭ごなしに否定して触れませんから、
この点にも注意して本や記事を読むことが必要です。

患者学が望む、ガン治療の原則とは
「医者は患者のよき“伴走者”」――これに尽きます。
僕の敬愛する外科医・土屋繁裕医師が警告したように、
「医師が肘掛け椅子にふんぞり返り、
患者は丸椅子で云うことを聞かされる」・・・
こうしたパターナリズム(父権的温情主義)の風潮が、
まだまだガンの世界では横行していることに注意しましょう。
自らの体質や症状に合う治療の相談相手となり、
治療計画の共同作成者となってくれるような医師を
探さなければなりません。
患者本位の医療とはこうした「治療と養生」の両輪が
あいまって成り立つものではないでしょうか?

いずれにしても「医師サイドの都合」だけから書かかれた
本や記事は患者にとって「読んではいけない」本となります。
皆さん、くれぐれも、読み方には『注意』して参考にしましょう。


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2009年1月22日(木)

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