第65回
こんな病院にかかって大丈夫?
「患者漂流」は他人事の話ではありません。
幸運にも、あなたのご両親が、
病院で、治療、手術、入院が出来たとしても、
前回、書きましたように、この「医療の質の低下」の中で
本当にわが身のいのちを安心して預けられるでしょうか?
しかし、帯津良一医師の近著のタイトルのように、
誰しもが「達者でポックリ」と人生を
まっとうできるわけではありません。
最後は、大抵の人が
どこかの病院のお世話になることになります。
しかし、年をとっても、なるべく「生きがい」を持ち続け、
日頃の食事や運動に心しつつ、
なるべく病院闘病を短くすることが、
これからの「長寿病弱国・日本」の心得に
なってくるような気がしてなりません。
そんなことを考えているときに、
「私、病院を辞めました」という
知り合いの女性看護師から手紙を貰いました。
結婚も理由のようでしたが、
病院の内情に耐えられないことが原因のようでした。
手紙を読んで納得しました。
≪こんなひどいことが病院では行われていたんです。
熱も出ていない患者さんに抗生剤が処方されたので
おかしいと思って主治医に確認したんです。
そうしたら
『ああ、あれね、実はここだけの話、
薬局長にたのまれてさ、期限がもう切れるんだよ。
なんか聞かれたら、オシッコが汚いからとでも適当に言っといて』
と平気な顔なんです。
もう1人の医師も酷いんです。
寝たきりだけど、食べることも
水もムセなく飲めるおばあちゃんに
IVH(高カロリー持続点滴)を入れっぱなし。
なぜ抜かないかと聞くと
「1つの病棟で何人もIVHしておけば、病院利益が上がる。
最近、あちこちで患者が亡くなったでしょぅ?
理事長の機嫌悪いんだよ.....。」って言うんです。
もうつくづくイヤになりました(以下略)≫
*IVH(Intravenous Hyperalimentation)とは、
中心静脈栄養法の略称
病院経営が苦しく、病院も背に腹は変えられぬ
というわけでしょうが、患者はたまりません。
こうした病院ばかりとは思いたくありませんが、
深刻化する「患者漂流」の背景で、
病院や医師の「量」のみならず、
医療の「質」が低下していることを、
患者はより真剣に見据えておかねばなりません。
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