第47回
おせち料理は長寿・繁栄を祝う「ハレの料理」だ
皆さんのお宅でも、お正月くらいは、
手作りおせち料理を楽しんでいることと思います。
さて、古来、日本には
“ハレ”(晴れ)と“ケ”(褻)という考え方があります。
ハレ(晴れ)は正月や祭りなどの「非日常」生活、
ケは普段の「日常」生活の意味で、
食事でも正月のおせち料理などを“ハレ”の料理といって、
マクロビオティックをやっている仲間でも、
あまり、片意地張らずに、ときには正月くらいは
「ハレの料理を食べようや」・・・などといいます。
だからといって、デパートやスーパーで売られている
重箱入りのおせち料理にしても、
芋や人参の煮ころがしがあり、黒豆煮あり、酢の物ありで、
伝統和食の粋をいっているわけですが、
農薬入り食材や化学調味料、化学添加物の問題だけでなく、
防腐用の意味もあって塩や砂糖の味が
かなり濃くなっていますから、
普段、薄味になれている身にとっては、
とても食べられたものではありません。
というわけで、わが家では、
昆布とシイタケ出汁に玄米餅をいれた雑煮はもちろん、
有機の食材で黒豆煮、栗きんとん、きんぴら、蓮根煮
里芋の煮ころがしなどをつくります。
・里芋、数の子は、子沢山、子孫繁栄の意味。
・れんこんは、穴があいているので「将来を見通す」意味
・昆布巻きの昆布は「よろこぶ」という語呂合わせがよく、
・黒豆は、まめまめしく良まめに暮らす
=つまり、元気に暮らす意味。
・きんぴらは、ごぼうのように強く、丈夫にという意味。
・栗きんとんは、金運を招く、繁盛、繁栄の意味・・・。
1年間の豊かな実り、家族・子孫繁栄など「いのちの有り難さ」に
感謝を込めて祝うのが「おせち料理」=ハレの料理ですから、
小田原のかまぼこやゴマメ、
数の子なども少々入れてお重に詰めて祝います。
さて、僕の友人たちは、
それぞれにマクロビオティック「おせち料理」を
考案して楽しんでいますから、その一部を紹介しておきましょう。
前回も紹介した岩手・一関で
食生活アドバイザーの鈴木美感子さんから教わった3品です。
1、なます 〜
1.大根の千切りを塩でもみ、少量の梅酢を加える。
2.干し柿を千切りにして1と合わせる。
2、稗のテリーヌ 〜
1.稗を柔らかめに炊く。
2.緑の物(インゲン、青菜、グリンピースなど)
赤の物(人参、パプリカ、など)、
黄の物(コーン、パプリカなど)
など色とりどりの野菜を5ミリ角に切り、ボイルしておく。
3.1が冷めないうちに2と塩・こしょうを加え、
型に入れて冷やす。
4.冷えて固まったらスライスして盛り付け、
粉海苔をぱらりとふる。
(*テリーヌのベースに粉海苔を混ぜたり、
すりゴマを混ぜたり、入れる具も大きくしたり
細かくしたり、様々工夫ができるので、
毎年違うテリーヌになります)
3、レンコンボール 〜
1.レンコンをすりおろす。
2.汁を切って、塩と小麦粉を混ぜてボール型にし、
油で素揚げする。
3.鍋に、醤油、酢、テンサイ糖を入れ一煮立ちしたら
葛粉を溶いて入れ、とろみをつける。
4.レンコンボールに3をからめてもいいし、
上にかけるだけでもよい。
(*粉海苔を入れたり、にんじんのすりおろしを入れると、
赤や緑のレンコンボールができるし、
形はボール型でなくてもいい)
今年は、皆さんのお宅でも
「ヘルシーおせち」に挑戦してみてはどうでしょうか?
逆に、このハレの料理がきっかけとなって、
家族がマクロビオティックに馴染むことができるかも知れません。
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