第42回
「ガン多発」時代を乗り切る法
長寿病弱社会となって、
これだけガンの患者が増えていくと、
眦(まなじり)を決してガンと闘うのではなく、
「ガンと仲良く過ごそう」と悟る人も増えてきたわけですが、
僕も、最近は、弘法大師とお遍路さんの修行の言葉をもじって、
ガンと「同行二人」(どうぎょうににん)と割り切って、
「薬や病院に頼るのは少なくしよう」、
「ガンと共生しよう」と考えています。
1.体を冷やさないで温める。
2.食べるだけでなく快く出す。
3.ストレスを溜めず希望とリラックスを保つ。
こうした養生の3原則がガン延命力を掴む近道なのですね。
とくに「食はいのちを作る」「食は体を作る」というわけで、
延命力獲得の基本養生を「食事」と「漢方」において
心身を温かくして自癒力を高めるようにしています。
全てのガンの原因の約35%は不適切な食生活にあるという、
WHO〈世界保健機関〉の報告もあります。
しかし「食事」や「漢方」を始めたからといって
急に効き目が現れるものではなく、
5年、10年、15年と続けるから効果が見えてくるものでしょう。
一時、小康を得たからといって、
とくに退院後の暴飲過食は慎みましょう。
別に僕の励行している
マクロビオティック玄米菜食法の原則を挙げるまでもなく、
昭和60年に策定された厚生労働省の
「健康づくりのための食生活指針」でも
以下のように挙げています。
1.いろいろ食べて成人病予防
2.日常生活は食事と運動のバランスで
−運動十分で食事を楽しもう
3.減塩で高血圧と胃がん予防
−塩からい食品を避けよう
4.脂肪を減らして心臓病予防
−脂肪とコレステロール摂取を控えめに
5.生野菜、緑黄色野菜を毎日の食卓に
6.食物繊維で便秘・大腸がんを予防
−野菜、海藻をたっぷりと
7.カルシウムを十分とって丈夫な骨づくり
8.甘い物は程々に−糖分を控えて肥満を予防
9.禁煙、節酒で健康長寿
−禁煙は百益あっても一害なし
これまた、
「そんなこと分かっているよ」という人が多いでしょうが、
これを励行できないのが
暴飲過食に慣れてしまった長寿現代人の弱みです。
若いときの僕がそうでした。
僕の友人に前立腺ガン、大腸ガン、胃ガンの
「多重ガン」と12年闘いながら、
週刊誌の編集長やその会社の社長を長年勤め、
いまも元気で延命されている人がおられます。
黒川宣之さんといって『多重がんを克服して』(葛燉j日・刊)
という著書も出しておられますし、
この夏も、友人の遠藤京子さんが経営する
「あらいぐまの台所」(東京・目黒)
というマクロビオティック料理の店で、
作家の山口泉さんを交えて楽しく食事をしてきました。
僕たちの会員誌「いのちの手帖」第4号にも
≪多摩のよこ山に魅せられて 楽歩、遊歩にいそしむ日々≫
と題して元気な様子を寄稿されています。
誰しもが「多重ガン」の危機・・・
といった長寿難病時代に突入したいまこそ、
「食はいのちを作る」「継続は力なり」「自癒力はいのちなり」
という発想をかみ締めて、元気に長生きしたいものですね。
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