第36回
「冷え退治」には腹巻、指モミ、携帯カイロ・・・
梅醤番茶は毎朝、2〜3杯飲んでいますが、
遺伝子治療だ、バイオだと最先端技術がもてはやされる時代に
古色蒼然とした「おばあちゃんの知恵袋」を有り難がるとは、
時代錯誤も甚だしい患者だと呆れる人もいると思います。
しかし、ガンはおデキや切り傷とは違い、
人間の体質そのものを蝕む病気ですから、
漢方力の知恵とはなかなか馬鹿に出来ないところがあるわけです。
風邪を引いたなナと思ったら、
すぐに薬漬けになるのではなく、まずは体を温める。
また、ストレスでこころを冷やさないことが、
ガン再発防止、いや元気長寿の賢い知恵だと思います。
にんじんジュースによる難病、
慢性病の治療法などで有名な石原結實医師も
「病は“冷え”から」(知恵の森文庫)という著書で
「ほとんどの病気は、体温の低下がもたらす生活習慣病であり、
体を冷やす生活習慣を改善すれば防ぐことができる」
と強調しています。
また、東京女子医大・
青山自然医療研究所クリニック院長・川嶋朗さんも
近刊「心もからだも「冷え」が万病のもと」(集英社新書)
という本の中で、
「体が冷えることによって、心まで冷えてしまう人がいる」
と警告しています。
川嶋朗さんは、腎臓病などの内科医が専門ですが、
鍼灸、気功、アーユルヴェーダ、ホメオパシー、
バッチフラワーといった数々の自然療法も習得し、
西洋医学と相補・代替医療を組み合わせる、
いわゆる統合医療を実践。
からだだけでなく、心の状態も合わせて難病を診る
ホリスティックな発想の医師ですが、
冷えとストレスの関係を強調しているところが注目です。
「ありとあらゆる病気の人が訪れます。
悪性腫瘍の人、不妊症の人、喘息やアトピーの人、
うつ病の人もいます。(略)
そこで私が痛感するのは、
『冷え』は諸悪の根元だ、ということです。
がんの人もED(勃起不全)の人もうつの人も、
ほとんど全員の体は、冷えています。
身体的な病気の人の体が冷えているのは、まだわかります。
しかし心の病の人も、体は冷えきっているのです。
そしてもうひとつ確信しました。
心と体はつながっているということです。
体が冷えることによって、心まで冷えてしまう人がいます。
肉体的な『冷え』からうつ病になったり、
精神的に不安定な状態になってしまうケースは少なくありません。
心が冷えてしまったことで、体まで冷えてしまう人もいます。
ストレスが体を冷やしてしまうように、強い不満や怒り、
情緒不安定が原因で身体的疾患を招いてしまうのです」
そして、「携帯カイロ」「腹巻」「指モミ」
「血流改善の靴下、ブラジャー」など
気軽にできる「冷え退治」がよいといっておられます。
難病や加齢による「冷え」は健康の大敵ですから
むやみに薬を飲むのではなく、転ばぬ先のツエ!
漢方力の知恵=「温和力」を生かして、
自分に合った養生法を探し、
心身のバランスを保つことを忘れないようにしましょう。
日々、「おばあちゃんの知恵」を思い起こして
英気を養うことが大切だと思います。
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