第29回
複合漢方薬にガンの「殺傷作用」はあるのか?
漢方薬は生薬成分や薬理作用などの
抗ガン・メカニズムの解明が難しく、
西洋医学からみれば
“立証性に乏しく非科学的だ”とされていますから、
日本やアメリカなどの厳しい認可制度の国では
医薬品として認められることはなかなか難しいものです。
僕の服用している天仙液にしても日本では未承認薬です。
(注・日本で購入する場合は個人輸入)
しかし、中国国家衛生部が天仙液の前身である
天仙丸(てんせんがん)を抗ガン漢方薬として
医薬品として許認可したのが始まりで、
ガン治療先進国のアメリカでは
FDA(アメリカ食品医薬品局)から
漢方デイリーサプリメントとして認可を受け、
オーストラリアではTGA(薬物管理局)から
医薬品の認可を得ており、
また、タイでは厚生省食品医薬品局から医薬品の認可を得るなど、
世界各国でその有効性が認められ、注目されています。
なぜ、各国の注目をこの漢方複合薬が注目されたかといますと、
長い研究開発を経て、製法も独自に高度化してきた薬として、
中国はもとより欧米の大学の研究所でも、
着々と科学的な検証報告がなされてきたからでしょう。
というわけで病理・臨床試験の一部を紹介すると、
以下のようなデータ報告が世界に公開されています。
《孫安迪・台湾大学免疫学博士と
国立台湾大学医学部研究チームによる臨床試験と研究論文》
《株式会社・新薬開発研究所・中央研究所による
抗腫瘍に関する試験》
《中国中医研究院、天津医薬科学研究所ほか
中国各地での臨床データ》
《アメリカBRI財団研究所所長の
R・W・ブラッドフォード博士の研究報告》
こうした研究論文の中でも、
とくに孫安迪教授と国立台湾大学医学部研究チームによる
臨床試験と研究論文が注目です。
「抗ガン腫瘍活性作用」「免疫調整作用」の有効性のみならず、
天仙液の「アポトーシス作用(ガン細胞の自滅死作用)」
「直接殺傷作用」の検証データが報告されたからです。
僕は2004年9月に東京で開かれた
『これからのガンと統合医療国際セミナー』で発表された時に
聞きにいったことがあります。
世界有数の免疫学者ですが、とても気さくな先生でした。
この孫安迪医師の論文は2005年4月、
米国の医学誌
「Journal 0f Alternative and Complementary Medicine」
に14ページに渡って掲載され、
伝統漢方の持つ『複合力』が科学的に照明される一歩として
世界の注目を集めたことになります。
もちろん、まだまだ、これからもより精度を上げて
薬理・病理の検証報告がなされなければならないでしょう。
ちなみに、漢方の基本は心身全体の調和を図るところに
特性があるわけですが、
複合漢方薬といえども西洋医学に伍した科学的な実験によって
細部の成分や効用が分析されることは、
医学界の評価を変えるだけなく、
患者の治療計画や闘病発想に
大きく影響を与えていくのではないでしょうか?
僕は1人の患者として、また1人のジャーナリストとして、
孫安迪博士らの研究・実験・検証・論考を注視しているわけです。
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