第27回
漢方の相乗力がガンの抑制・殺傷作用を生む・・・
中国医学界・臨床漢方医の第一人者である
王振国医師への、Q&A形式でのインタビューの続きです。
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Q=複合漢方薬・天仙液の生薬の配合理論と実際を教えてください
王振国=漢方医学の治療と診察の基本原理である
「弁証論治(べんしょうろんち)」に基づいて配合を決めますが、
それだけでは不足していると、私は思っています。
なぜならば、医学と医薬の結合があればこそ、
すぐれた治療効果が得られると考えるからです。
その一端を明らかにしますと生薬の分類で基準としたのが、
漢方医学で重要視する身体の3大構成要素
「気・血・水(津液しんえき)」の流れを
よくするとことにあります。(別図)
漢方医学の理論では、これらの流れが滞ることで
いろいろな「証(しょう)」つまり、
症状や病気が生じ、体が弱まり、病気が進行します。
この『気・血・水』の流れをスムーズにして、
働きを活発にする生薬を選別しました。
「気」とは生命のエネルギー、
「血」は血液とその栄養源、
「水」は身体の水分やリンパ液で排泄作用を現わします。
そのために、次の4つの作用に分けて分類したわけです。
1.清熱解毒(せいねつげどく)=
こもっている熱、炎症を抑える、解熱、解毒作用
2.活血化 (かっけつかお)=
滞った血流をよくし固まった古い血を溶かす
3.止痛散結(しつうさんけつ)=
痛みを止め、凝固した部分を取り除く
4.補気養血(ほきおうけつ)=
身体のエネルギーを補い、血液に栄養を与える
この4つの要素にはガン治療に必要な
すべての要素が含まれています。
・清熱解毒とは、手術や抗ガン剤などによって
内臓組織などに溜まった余分な熱をすみやかに取り除き、
また、抗ガン剤や放射線治療によって
身体に生じた毒を排除するという作用です。
・活血化 とは、血行が悪くなればうっ血が生じ、
内臓の機能も低下してしまうので、血行を盛んにし、
うっ血したところを取り除く作用です。
・止痛散結とは、ガン細胞が増殖すると神経を圧迫するために
痛みが激しくなるが、その痛みを取り除き、
同時に血液の流れをスムーズにして痛みを止める作用です。
・補気養血とは、自分の持つ気力を充実させて、
血液に栄養分を与え、ガンと闘える体力を作る作用です。
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