第26回
続・「天仙液」は普通の漢方薬とどう違うのか?
中国医学界・臨床漢方医の第一人者である王振国医師が、
漢方の「薬草力」そして「相乗力」についてどう考え、
どのようにして「天仙液」のような
高度な漢方薬を開発することが出来たのか?
漢方薬の「薬草力」「相乗力」の研究開発が
これからどう西洋医学に伍して進歩していくのか?
天仙液の生薬配合のヒケツを聞きながら、
Q&A形式でインタビューしてみました。
インタビューの続きです。
Q=漢方生薬の配合は、どんな相乗力を生み出すのか?
王振国=近年では漢方の研究が進み、
生薬の中には西洋医学の薬に劣らず科学的に
抗ガン作用が認められているものもあります。
ただ、抗ガン剤のように生薬(しょうやく)単品で
劇的な効果を発揮するものはないとされています。
免疫力を向上させるとか、ガン細胞を抑制する、
血液の流れをよくするといったもので、
生薬単品が西洋医学の抗ガン剤のように
ガン細胞を直接的に殺傷することが、科学的に解明・立証され、
現在、ガンを劇的に治したという話は私自身、聞いておりません。
冬虫夏草(とうちゅうかそう)がよい、
霊芝(れいし)がよい、
朝鮮人参(ちょうせんにんじん)に効果がある・・
などとよく言われますが、
確かに免疫力を向上させ、ガン細胞をできにくくし、
また血液浄化、体力増強といった作用はあります。
しかし、これらの生薬が一つ一つではダイレクトに
ガン細胞をねじ伏せることはできません。
ただ、抗ガン剤や放射線の併用によって、
ある程度の効果を発揮したのが、
朝鮮人参や霊芝、冬虫夏草などの生薬です。
しかし、西洋医学の抗ガン剤は劇的な効果がありますが、
ガン細胞と一緒に正常細胞まで殺傷して、
その結果、免疫力を失わせ、
さまざまな副作用をもたらすことが欠点です。
いわば「細胞を殺す」という面で言えば「劇薬」です。
それに引き換え、漢方生薬とは身体に穏やかに作用して、
じっくりと効果を発揮させる代わりに
副作用が少ないのが特徴です。
さて、ここで大切なことは、
漢方薬は配合、処方によって効果の差が生じることです。
漢方の名医というのは、とりもなおさず
各々の症状、病気に対する診立て、つまり診断の名人といえます。
生薬というのはとても不思議なもので、
例えば効果の相反するAとBの生薬を
1対1の分量で配合した場合、
あるいは、さらにCとDの生薬を加えた場合など、
微妙な配合や処方で効果が劇的に高まることがあります。
こうした漢方生薬の組み合わせの働きを
「相乗力」効果といいますが、
生薬単品では効果の少なかった作用が、
2つ、3つと配合、処方することで、
素晴らしい効果を発揮するものなのです。
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