第24回
ガン延命力のひみつは漢方薬の「相乗作用」にあり
僕は幸運なことに、大学病院のノルマ医師とは
全く違ったタイプの人間味溢れる医師に知り合い、
いまでは、贅沢なことですが、2人の主治医に恵まれて、
「元気で長生き」の延命力を貰っています。
このコラムでは、もう何度も登場していただいている、
帯津良一医師と王振国医師です。
王医師は、僕が10年間服用を続けている
複合漢方薬・天仙液の開発者ですが、
中国に行ったときの主治医というわけです。
この複合漢方薬「天仙液」の開発者・王振国医師に、
漢方薬パワー=「漢方力」のヒミツについて
聞く機会がありましたので、
まとめて紹介したいと思います。
王医師曰く
「漢方はいろいろと配合の組み合わせを変える
『相乗力』によって驚くような薬効を発揮する」といいます。
生薬配合の「相乗力」にこそ
漢方医学の最も大きなパワーの特色があるというわけです。
では、複合漢方薬は、どんな薬草の「相乗力」を発揮して
抗ガン作用を生み出すのか?
王振国医師の話を紹介する前に、少し、
「西洋薬と漢方薬の製法の違い」を知っておきましょう。
これが頭に入っていると、
漢方医学が西洋医学サイドから批判されるような
「いかがわしい医学」ではないことが理解できると思うからです。
簡潔に解説すれば「西洋薬と漢方薬の製法の違い」は
以下のようになります。
◆西洋薬=化学合成された物質が多く、
一つの成分で構成されており、
一つの疾患、症状に強い薬理作用を示す。
いわば「単純主義」製法の薬と理解しておきましょう。
◆漢方薬=自然の生薬を使用し、
原則として二種類以上の生薬の配合で構成され、
多くの成分を含んでいるので、様々な症状に対応する。
いわば「複合主義」製法の薬と覚えておきましょう。
ですから、西洋薬はケガ・外傷や感染症といった
病原が単純化されている病気にはよいでしょうが、
検査でも原因がわからないガンやアレルギーのような
複雑な慢性難病、つまり体質全体にからむ病気には
漢方薬が向いている――
そう考えたら早いと思います。
たとえば、「半夏(はんげ)」という
湿(しつ)を乾かす作用の生薬があります。
夏の半ばに開花するサトイモ科の多年草
=カラスビシャクの球茎で、胃に働けば健胃作用、
肺に働けば去痰(きょたん)作用があるとされています。
半夏は桂枝(けいし)・五味子(ごみし)
・細辛(さいしん)などの生薬を配合すると
「鎮咳剤(ちんせきざい)=咳止め」として威力を発揮しますが、
一方、半夏に柴胡(さいこ)・人参(にんじん)
・甘草(かんぞう)などを調合すると
「制嘔剤(せいおうざい)=嘔吐止め」と、
変幻自在に薬効を変えるわけです。
漢方薬とは確かに西洋薬の単純主義製法に
慣れ親しんできた僕たちには馴染み難いわけで、
「エビデンス(立証性)がない」
「いかがわしい薬だ」などと思われがちですが、
その複合主義製法で配合された漢方の「相乗力」には
計り知れないパワーが秘められている――、
こう考えたら漢方医学の驚異が面白いように分かって
親しみが深まるのではないでしょうか?
漢方薬の「相乗力」こそ複合漢方パワーの源だというわけです。
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