第8回
運と縁は紙一重!インターネットと妻と親友が「いのち綱」
100人のうち80人が助からない――
食道ガンの手術がいかに難しくて、生還率が低いか?
その話の続きです。
術後は、誤嚥(ごえん)を起こしたり、合併症を起こしたり、
院内感染に罹り、悶絶の内にいのちを落していく
同輩患者を何人も見てきましたから、
「こんな惨い治療からはなんとしても逃げ出したい」
と悲嘆にくれたわけですが、外科医の娘である筆者の妻と、
愛称“絶倫くん”と“バクさん”という二人の親友が、
人一倍熱心な薬草マニア、
健康マニアであったことが幸いしました。
「切らずに治すガンの治療もあるはずだ」と、
これまたインターネットと口コミで漢方薬や健康食品を
探しまくってはベッドの回りに積み上げたのです。
いまでこそ、軽量パソコンや高速マルチな
第3世代携帯電話(3G)が全盛ですが、
10年前は、やっと、ソニーの「VAIO PCG-505S」という
重さ1.22キロの軽量ノートパソコンが登場したばかりの頃で、
入院直前に、これを買ってガン病棟に持ち込んだことも、
たしかに幸運をもたらしてくれたようでした。
ほんとうに、人間の「縁」とか「運」とは
紙一重で分からないものですね。
僕自身、必死になってベッドの上でVAIOを抱え、
内外のガン情報サイトをインターネット検索していると、
たまたま香港のサイトから
「天仙液」という複合薬のドリンク剤がある――
という情報が飛び込んできたのです。
「とくに消化器系のガンにいいらしい」と書いてある。
さらに開発者の王振国医師の解説を読んでいると
「抗ガン剤と放射線と併用すると80数%の治癒率がある」
というではないですか?
半信半疑でした。
早速、英語通の親友“バクさん”に、
この漢方薬の個人輸入を香港に頼んで貰いました。
入院してから2週間ほどたってからのことです。
王振国(おうしんこく)医師という開発者の元気溌剌の顔写真が
デザインされた真っ赤な箱が送られてきたのです。
これが天仙液との最初の出会いでした。
抗ガン剤と放射線の副作用で起こる嘔吐と下痢で
もがき苦しんでいる真っ最中でしたから、
主治医には内緒でせっせせっせと飲みまくったのです。
ちなみに、抗ガン剤と放射線の副作用の疼痛とは恐ろしいもので、
吐き気、下痢はもちろんですが、免疫力も下がって、
生きる気力も萎えてくるわけです。
放射線治療はライナック
(LINAC:Linear Accelerator=直線加速器)
による体外からの照射、のちに
ラルストロン
(RALS:Remote AfterLoading System=遠隔後充填法)
による食道腔内・小線源照射を受けたのですが、
それ以来、嚥下(えんげ)困難ははげしく、
食事はもちろん、飲み薬や健康食品も、
なかなかスムーズには飲みこめないのには、ほとほと参りました。
ところが、幸いなことに、
この香港から入手した漢方複合薬の天仙液(てんせんえき)と、
もうひとつSOD様食品が喉をスムーズに通ったのです。
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