国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第132回
年金でゆっくり暮せるのは…

義父は今83歳です。18歳から働き始め65歳で仕事を辞めました。

義父の最初の仕事は土木技師。
戦争が終わるとすぐに公共事業に携わり、
あちこちの建築現場で技師として働いたそうです。
パリとその近郊での仕事が主だったと聞いています。
それから35歳頃、誘う人がいてリヨンで会社を起こし独立しました。

最初は本人を入れて2、3人だったのが、
60年代から70年代、
高度成長の波に乗り会社は大きくなったそうです。
そして65歳の時、
少し若かった共同経営者にすべてを譲って退職したそうです。

フランスは職種によって定年の年齢はまちまちのようですが、
一般的には60歳のようです。
公務員は55歳から定年退職が可能とか。
年金の払い込みは40年が最長で、
退職時の年収の70%が下りるとも聞きましたが、
実際のシステムはもっと細かく複雑なようです。

フランス政府は2003年に年金制度の改革を打ち出しました。
60年代には1人の退職者に対して4人の現役がいましたが、
2000年からは2人、
2040年になると1対1にまで現役社会人が減る。
だから今それに対する措置を講じないといけない
(どこかの国と同じような状況ですが)と国民に説明し、
少しずつ変更せざるをえませんとアピールしたわけです。

でも具体的なリフォーム案が通ったかどうかは?マーク。
去年かその前か、教職員年金のリフォームは
彼らの猛反対(公立学校の先生たちのストライキが頻繁にあり、
学校がよく休みになりました)にあい
一時撤回したとも聞いたからです。

義理の父の年代からこれまでに退職してしまった人達は、
職種や労働年数、過去の賃金で金額が違うとはいえ、
概ね年金でまあまあの生活ができているようです。

だからフランスで
定年後に再びフルタイムの勤め先を探す人はまずいません
(1950年代生まれでもそれが可能かどうかはわかりませんけど)。
退職後の自由な生活を楽しみにしている人が多いのです。
が一方で実際に仕事を辞めると、
社会との繋がりが希薄になって人との付き合いも減り
ショックを受ける人もいるとも言われました。

キャンピングカーで1年中旅に明け暮れる人もいれば、
忙しい息子や娘に変わって孫を見てやる人もいます。
ボランティア(といっても多少の報酬があるのが普通ですが)で
経験を役立てたり、
趣味に生きたり、
社会活動やグループに加わる人。
それぞれに世の中との繋がりを切らないようにしているようです。


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2005年11月18日(金)

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