国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第120回
日本人のイメージは……

ある時、ここに旅行でいらした方から
「フランス人は日本人をどう見ているんでしょうね」
と聞かれたことがあります。

その問いに私は即座に答えられませんでした。
というのはその方がどういう答え(肯定的か否定的かなど)を
期待していたのか図りかねたのと、
簡単に表現できるほど単純な問いではなかったからです。

まず日本でも「欧米人」と一口に括りますが、
外見からアメリカ人かヨーロッパのどの国の人であるかを
識別するのは難しいと思います。
同様にフランス人もアジア系である中国、韓国、日本人を
外見で即座に区別できる人はそういません。
そこから一歩中に入って個人的な拘わりを持った時、
初めてそれぞれに違う文化、違う言葉を話している
別々の国の人だとわかるのです。

私の家族のように「日本人」が身近にいれば、
他の日本人を知る機会が増えます。
ことあるごとに日本と中国、
その他のアジアの国との違いも説明します。
それでやっと「日本人のイメージ」を
ある程度描けるようになります。
だから一般的にはなかなか難しい質問なわけです。

70から80年代のステレオタイプの日本人像というと、
こんなイメージでした。
背広に白いワイシャツ、ネクタイに黒ぶち眼鏡をかけた男性。
観光地で全員が胸にカメラをぶら下げ、写真を撮りまくる。
今時こんな風体の日本人はいませんが、
「写真を撮りまくる」という点は変わっていないようです。
家の義理の両親など、
日本人は異常な写真好きだと思っていますから。

さらに一歩踏み込むと、
「正直で信頼できる人々」「清潔」と思われているのは確かです。
でも「変わっている」とも表現されます。
つまり日本人が日本で当たり前としているやり取りや方法が、
他の国に行った時に必ずしも「普通」ではないところに
ギャップが出るからです。

私たちより長い結婚生活を送る
フランス人男性と日本人女性のカップルがいます。
彼女のフランス語は私などより数段上のレベルです。
それでも御主人に言わせると
「何を言っているのかわからないこと、良くありますよ」
となるのです。
我が家などそれが頻繁に起こるのも頷けました。

実はこれ、単に言語能力の問題ではなく、
それ以前の「考え方」あるいは「思考経路の違い」から来る
「わからなさ」の場合が多いのです。

オリヴィエは良く言います。
「なんでもっと簡単に(あるいは単刀直入に)言わないのか」と。
どうも日本人は堀を埋めるように回りから説明して、
最終段階で結論をいうようなところがあるようです。
回りくどい(私たちは丁寧だと思うわけですが)分、わかりにくい。
ゆえに「変わっている」と表現されるのかもしれません。


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2005年10月21日(金)

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