国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第112回
「スーパー・ナニー」というTV番組

M6という民放局で「スーパー・ナニー」という番組があります。
夜のゴールデンタイム(21時前後です)の放送でした。

ドラマではありません。
ドキュメンタリーというか、舞台は一般の一家庭です。
毎回別の家族が登場しますが、テーマは「子供の躾」。

まず「スーパー・ナニー」こと
黒ぶち眼鏡で黒のスーツに身を固めた
40代とおぼしき一見いかめしい女性が、
子供の躾に悩む家庭を訪ねます。
主に対象となる子供の年齢は4、5歳。
だいたい2、3人兄弟の末っ子という設定が多いようでした。

彼女は最初に一家の日常生活を朝から晩まで観察し、
どこに問題点があるかを専門家の目でチェックします。
ポイントは子供に対する父親、母親の対応、
家庭全体としての規律の有無でしょうか。

親が子供をうまく叱れない、言い聞かせられないと、
子供は増長して手がつけられなくなっていく。
そういう家庭には決まり
(食事を家族揃ってきちんとテーブルを囲んでするとか
就寝時間を決めているなど)もないので、
結局子供の言いなりになっている。

ナニーは両親を前に日常的にどこが悪いのかを指摘し、
その解決策を提案します。
同時に家族に課題を科し、1週間後の訪問を約束して…
最終的には3週間後ぐらいまで訪問を繰り返し
アドヴァイスをします。

結局テレビ番組?なので、
ナニーに助けられながらの一家の涙ぐましい努力が流され、
最後は万事めでたし、めでたしで終ります。
バカバカしいといえばいえるのですが、
これを見ると、フランスでも
今時子供の躾がうまくできない家庭は少なくないんだな、
と思うわけです。
と同時に、こんなコンサルタントがいたら良いかも、なんて。

それからこのタイトル、フランス語ではありません。
ナニーnannyは英語
(フランス語にはヌリスnourriceという単語があります)で、
日本語にすると「乳母」とか「ばあや」の意味。
でも単なる下働きの女性ではありません。
ナニーは母親に代わって、
子供の日々の面倒から躾、教育全般をみる役目だったからです。
当然一定の教育を受けた女性でなくては勤まらない職業でした。

ヨーロッパでは19世紀から20世紀前半まで、
上流家庭では必ずといって良いほどこうした女性を雇っていました。
特にイギリス人ナニーは
その能力においていちばん信頼されていたようです。
ゆえにタイトルを英語の「ナニー」としたのではないか、
と思う次第です。


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2005年10月3日(月)

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