パリだけがフランスではありません

第95回
クスクスはフランス料理でしょうか?

クスクスってご存知ですか。
もともとは北アフリカの料理で、
けして由緒正しいフランス料理ではありません。
が、今ではフランスにおいて抜くことのできない
ごく一般的な料理になっているものです。

北アフリカのマグレブ諸国
(チュニジア、アルジェリア、モロッコ)は、
かつてはフランスの植民地でした。
ここには多くフランス人が暮らし、
ここで生まれた生粋のフランス人も多くいました。
特にアルジェリア生まれの人々を称して
ピエ・ノアールpied-noirといったりします。
またその反対にフランスで生まれた独立前のアルジェリア系の人々を
そう呼んだりします。

ところでこのクスクスですが、
日本語で単純に字のごとく読んでも通じません。
Couscousと書きますが、このouの発音が曲者なのです。
発音記号は「u」ですが、日本語の「ウ」ではなく、
より唇を丸めて前に突き出すようにウと言わなければなりません。

最初私は何気なく「クスクス」といったら、
みんな首をかしげ、
それが料理の「クスクス」の事だと分かると大笑いされました。
まあ今でもうまく発音しているかどうかは疑問ですが、
とにかく笑われることはなくなりました。

couscousは、小麦の粗くて小さな粒のことをいいます。
これを蒸して野菜と肉や魚を煮こんだスープをかけ、
その中身の野菜、肉や魚を添えて食べる料理名でもあるわけです。

以前はもっぱら主人の得意料理でしたが、
最近は「日本人の作るクスクス」も
なかなかの評判を得るようになりました。
基本的には煮込み料理なので誰にでもできますが、
スープに入れる各種香辛料が各家庭によって工夫が凝らされ、
うまさの決め手となります。

我が家ではオリヴィエが
今年3月に行ったモロッコで仕入れてきたスパイスと、
こちらで売られているクスクス用スパイスやらいろいろ混ぜます。
ただしつこい羊肉の脂に馴染めないのと健康のため、
最初は野菜とスパイスだけでじっくり煮込み、
その後から両面を焼きつけた鶏肉を入れて
さらに煮込むようにしています。
メルゲスという少し辛味のある羊肉を使ったソーセージも、
別に焼いて油を落として添えたりします。
こうすると軽くてさっぱりしたクスクスに仕上がります。

コレステロールがすでに十分ついてしまっている私たちには、
どうもちょうど良いようです。


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2005年8月24日(水)

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