パリだけがフランスではありません

第88回
イギリス人とフランス人

先週はずっと「優雅な旅」についての体験をご紹介しましたが、
実はこの時私たち2人の日本人の他、
3人しか乗船客がいなかったのです。

1人はオーストラリアの御夫人。
60代後半の年齢でしょうか。
1人で3ヶ月ヨーロッパを旅行しているとのこと。
このローヌ川下りが終ったら、パリからロンドンへ行き、
そこから香港経由でオーストラリアへ戻るのだと言っていました。

あと2人はイギリス人夫妻のフランクとリザ。
70歳のカップルで、1週間をこのクルーズに。
さらに1週間、アヴィニョンからレンタカーで
カマルグCamarguais一帯を旅行する予定だとか。
御主人はまだ仕事をしているそうで、
奥さんは「早く止めてゆっくりすれば良いのに」といっていました。
どこかの国にもそんな方が多くいそうですが、
フランスではほとんど考えられません。

ある日の夕食時、
そんなイギリスとフランスの違いが話題になりました。
国民性から細かい点までまったく違うので大笑い。
特に日常の食事マナーに大きな違いを発見し盛り上がりました。

食事の席で、イギリス人は両手をテーブルの下、
つまり膝の上に置くのが礼儀で、フランス人はその反対。
空いた時の両手はテーブルの上に置くのです。

そしてフォークやスプーンのセッティング。
イギリス式は上向き。
フランス式は伏せて置きます。
だからフランスのフォークやスプーンには
紋章やイニシャルが裏側に入っているのです。

オーストラリアから来たゲイ、
彼女の先祖はイタリア人だそうですが、
は少々半信半疑で私たちのやり取りを聞いていました。

実は話した私も、
テーブルセッティングに関しての違いは
何かで読んだので確かでしたが、
食事中の手の置き方についてはちょっと自信がありませんでした。
義理の両親のところでの聞きかじりだったからです。

翌日、
「昨日の違いが全部
リザが読んでいたピーター・メイルの本に出ていたのよ」
とゲイがおかしそうに言いました。
その本は「ボナペティBon appetit」という題名でした。

イギリスとフランスでは
食事様式の非常に細かい点でも大いに違うことが証明されました。

ライバルとは絶対同じにしないという、
昔からの思いでもあったのでしょうかね。


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2005年8月8日(月)

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