パリだけがフランスではありません

第87回
優雅な旅に憧れている方に 3

最初にこのクルーズはオール・インクルーシィブだと書きました。
つまり食事、飲み物(アルコールも含む)、
エクスカーションなど、
乗船から下船まで
1週間のすべてが料金に含まれているということです。
ただし下船時に
スタッフへの感謝の気持ちとして払うチップは別です。

さてこのチップ、いかにスマートに扱えるかが
「優雅な旅」の一つの鍵となります。

私たち(今回の旅のチャンスをくれた女友達と私)は、
ある意味で仕事だったわけですが、
チップは当然別途払うもの
(金額についてはオリエント・エクスプレス日本支社と相談済み)
と理解していました。
問題はどのようなタイミングで渡すかでした。

最終日はアヴィニョンの駅からTGVに乗りパリへ向かうため、
下船は朝の8時過ぎと早めに設定されていました。
駅までは1週間ガイドをしてくれた男性が送ってくれるため、
駅での別れ際に封筒に入れて渡せば良いかと
心積もりをしていました。

朝食を終え、
荷物をいつでも運んでもらえるように部屋の前に出し、
二人で他の人達がいるデッキに出ようとしました。
デッキへ出るにはサロンを横切らなければなりません。
その時、小振りのテーブルの上に
同船者の名が手書きされた白い封筒にふと気が付きました。
「あっ、こんな風に置いてある」
封筒の中身が何なのかは容易に察しがつきました。
そう、スタッフへのチップです。

駅の慌ただしい中で手渡すより、
ずっとスマートな方法だと思いました。

そこで私たちも慌ててそれを真似、
二人の名を書いた封筒に現金でチップを入れ、
すでにあった封筒と並べておくことにしたわけです。

ローヌ川下りはこうして幕を閉じました。

「優雅な旅」はお金も必要ですが、
むしろ時間的ゆとりと共に
大人っぽい洗練された振る舞い(会話も含む)ができてこそ
完成するものかと思った次第です。


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2005年8月5日(金)

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