第86回
優雅な旅に憧れている方に 2
ローヌ川Rhoneはアルプス山脈に生まれ、
スイスのレマン湖、フランス第2の都市リヨン
(マルセイユに追い越され第3かもしれません)を流れ
地中海に注ぐ第1級河川です。
ナポレオン号は、そのローヌ川を1週間かけて
リヨンの少し南にあるテン・レルミタージュTain l’Hermitageから
プロヴァンスのアヴィニョンAvignon、アルルArlesまで下りました。
距離にすると300kmほどのところ(かなり大雑把ですが)を
1週間かけて行くようなものです。
いかにゆっくりかおわかりでしょう。
車なら数時間です。
観光の目玉はなんといってもプロヴァンス。
6月の末はラヴェンダーの花が咲き誇り、
まさに絵葉書通りの風景が展開していました。
ピーター・メイルのベスト・セラー
『南仏プロヴァンスの12ヶ月』以来、
日本でも超有名になった地域ですが、
土地の人達はそのお蔭で以前の静かな生活が奪われたと
彼の評判はあまり良くないといわれました。
日本だったら住民はこれでようやく有名になったと
大喜びするところでしょうが、フランス人はどうやらその反対。
観光地として人がやって来るより、
昔ながらの静かな生活のほうが大切だったようです。
船で組まれたエクスカーションに乗って観光するため、
自分の好きなところへ行けるわけではありません。
が、15世紀からある魅力的な小さな村やワイナリー、
トリュフの農場など、
普通は足を伸ばしにくいところも組み入れられていました。
超有名観光地(ローマ時代の水道橋、
ポン・デュ・ガールPont du Gard、
一時期法王庁があったアヴィニョン、ゴッホゆかりのアルルなど)を
訪れる合間に、
その土地独特の場所に案内してもらえたのは得した気分でした。
余談ですが、私はいくらトリュフといわれても、
なぜ黒いダイヤといわれるほど珍重されるのか
ずっとわかりませんでした。
というのはおそらく本物のトリュフを知らなかったのかも、
とここで実感しました。
強い金属的な独特の香り。
しこしこした歯ざわり。
美味しいというより変わった印象を受けました。
どこの国にも外国人には「変わっている」としか思えない珍味が
たくさんありますよね。
お土産に買ったトリュフ。
義父とオリヴィエは大喜びでした。
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世界遺産 “Le pont
du gard” |
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美しいラヴェンダー畑 |
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