第69回
家庭によって違う約束事
息子が小学校へ上がってからしばらく、
今ごろの夕方19時には帰ってきなさいというのですが、
なかなか守れずに困ったことがあります。
まず時計が読めない(今も怪しい気がしますけど)。
そして6月、夏場は19時でもまだ日が高く、
ちっとも夕方感覚がないのです。
その時私は、
まず他の家はどうなっているのかな、と考えました。
日本だったらどこの家もほぼ横並びに
同じ帰宅時間に合わせているのではないか。
だからここでもまず他の家と合わせないといけない、
と思ったわけです。
でも他と合わせようとしたのは間違いでした。
友達によって帰宅時間はまちまちで、
遊び相手がいる間は自分の帰宅時間をすっかり忘れていたのでした。
つまり家庭によってそれぞれ異なる事情と方針があり、
お隣がどうしているかはまったく関係ないのでした。
それは主人の一言でわかりました。
「君はいけないと言い切らず、途中で変える事が多い。
だから言われた久は絶対と思わず、
いい加減に聞き流して守ろうとしない」
のだと。
確かにそうでした。
「19時」と言う私の中に、いっぱい迷いがあったからです。
お向かいは御主人が帰ってくる18時半を
子供の帰宅時間に決めていたし、
共働きの家の友達は19時半だったり…
18時半にしないとおかしいかしら、いや19時半でもいいかしら…
気持ちの根底に、
我が家としてはどうするかが抜けていたのです。
彼に言われ、
確かにきちんと言い切っていない自分に気付きました。
そうか。我が家は我が家流でいいのだと。
他の家と子供に対する規則や躾が違うのは、
それぞれ事情が違うのだから当たり前。
家は家、余所は余所。
こうしたことがあった後は、
息子が友達を引き合いに出して何かを言うとき、
「ケリック(友達の名前)は
お父さんやお母さんがそう決めたのだから良いけど、
家はこうなんだ」
とはっきり言い切るようにしています。
本当はやっぱり迷ってばかりなのですが、
他を真似るのではなく
私たちはこれで良いのだとその都度自分に言い聞かせています。
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