第65回
ムール貝は簡単で楽しい食材
ここではムール貝が1年中売られていますが、実は旬があります。
身が大きく肥って殻いっぱいに詰っているのは
6月から出まわるブッショmoules de bouchots
(養殖場で育てられたもの)と表示してあるものだからです。
これ、冬場はありません。
お値段は年間を通して変わりません。
1キログラムで3ユーロ50サンチーム前後。
家のような3人家族(子供だとそれほど食べないから)で
1キログラムもあれば十分ですが、
大人だったら1人最低500グラム見当で用意するのが普通です。
日本ではあまり食べられていないようですが、
ここではみんな良く食べます。
ベルギーの名物料理としても知られています。
ブリュッセルでは、たっぷりのムール貝に
フリット(フライドポテトですね)の組み合わせが定番ですが、
ここではお米を付け合せにします。
調理方法は殻ごと蒸したり、
それから実だけ取っていろいろな料理にします。
基本は日本の「アサリの酒蒸し」のような調理方です。
もちろん日本酒ではなく白ワインを使いますが。
厚手の鍋に刻んだエシャロットと刻みニンニクを入れ、
オリーブオイルで軽く炒めます。
そこにきれいに洗ったムール貝を入れ軽く混ぜます。
白ワインを適当に加えてふたをし、強火で蒸します。
殻が開いてきたら生クリームを加えても良し、
さっぱりが好みなら入れなくてもかまいません。
さらにパセリのみじん切りを加えて良く混ぜ、
もうひと温めすればできあがり。
我が家では、生クリームと一緒に少量の中華チリソースを加えます。
ちょっとピリッとして風味も増します。
これを蒸した鍋ごとテーブルに出し、
各自好きなだけ皿に取り分けます。
貝殻を外してご飯を入れ、
ソースとムール貝の実をからめて食べるのです。
また鍋に洗ったムール貝を入れ
単に蒸すだけでも美味しく食べられます。
貝が新鮮なので、
火にかけると貝から塩を含んだ水分がたくさん出てきます。
それで自然に蒸されるというわけです。
ただしこの汁は貝が新しければ新しいほど塩味がきつくなるので、
身だけパクパク食べるのにお勧めの簡単調理法と理解してください。
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