パリだけがフランスではありません

第64回
便利な社会と不便な社会

今、日本では
コンビニエンス・ストアーが生き残りをかけて
激しい競争を展開しているそうですね。
いずれにしても都市圏なら数百メートルごと、
どんな田舎に行ってもコンビニがあるという日本は
すごく便利な社会だと思います。

そこへいくとフランス社会は「便利」とは程遠いかも。

大手スーパーは昼も開いていますが、
数年前まで正午から14時頃はどんな店も一切閉まるのが普通でした。
パリのデパートで
日曜日も営業するとかしないとかが話題になったのも
つい近年のことです。

朝7時から夜11時とか24時間営業のコンビニエンス・ストアーなど、
たとえパリでも日本ほど一般的ではありません。
ヴァンヌに至っては数ヶ月前、
町中に朝8時から夜8時営業という名前の
コンビニに近いチェーン店がようやく登場した程度です。

人口の少ない不便な場所では、
移動商店(バンを改造したような車)が週2、3回巡回します。
ここいら辺でも見かけます。
いつでも開いているコンビニとは違いますが、
決まった日に決まった買物はできます。
郵便屋さんがパンを一緒に届けるような田舎もあります。

幸い5年の島暮らしで免疫ができていたので大丈夫でしたが、
日本の「便利」さに浸りきっていたら、
きっとフランスの日常生活の「不便」さを痛感したことでしょう。

日曜日は何もかもが休みなので家族でゆっくりしています。
買物は全部普通の日か土曜日にするわけです。
日曜の町中はゴーストタウン。
外出はおのずと近隣の自然の中ということに。

一般的にビジネスや社会は
日本のほうがずっとダイナミックだと思います。
ヨーロッパ憲法に「NON」と
後ろ向きとも取れる答えを出したフランスです。
失業率も高く、今や日本のほうが豊かな面も多く見受けます。
未来もそれほど輝きそうもない社会ですが、
経済的な豊かさとは別に、
なぜか「のんびり暮らす庶民」という印象を受けるのは
私の思い違いでしょうか。


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2005年6月13日(月)

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