パリだけがフランスではありません

第63回
日本の日常食は変化に富んでいますね

フランス人と結婚し、日本で5年暮らした後
こちらに来て間もない日本人女性に聞かれたことがあります。
最初の1ヶ月ほど、御主人のお母さんの家に同居したそうです。
「姑は50代前半の人で、仕事もしています。
朝はパンにバター、時にシリアルと
日本での朝食と違ってすごく簡単。
料理好きではないと聞いていましたが、
夕食にアンディーブの煮たのがドンと出たきりだったりして。
フランス人っていつもこんな単純な食事なんですか?」

彼女のお姑さんは離婚して一人暮らしだそうです。
その事情を考慮すれば、夫がいて子供を育てていた時代から
「ドン」と一品ですませていたわけではなかったろうと、
少し肩を持ってあげたい気はします。

オリヴィエのお母さんは「料理好きではない」と公言しますが、
お父さんが食べることが好きなので、
昼も夜も必ず前菜、メイン、デザートと
伝統的な形態は崩していません。

具体的にいうと、たとえば夕食はパンに前菜は野菜スープ、
メインはプレーン・オムレツに付け合せの野菜かサラダ、
デザートにチーズ、といったところでしょうか。
バランスは取れますが、変化に乏しいのは確かです。

これに比べると日本の家庭料理、
つまり日常食はとてもバラエティーに富んでいると感じます。

たとえば一昔前まで
朝もご飯に味噌汁、おかずが普通のスタイルだったはず。
汁の具は野菜、海草、豆腐など変幻自在。
今は手軽なパン食が多いかもしれませんが、
それでも必ずおかずが付くのでは…
卵焼きにちょっと野菜を添えたり、サラダにハムなど。
昼や夜のおかずはメインの他に幾つかの小鉢や漬物などが並ぶはず。
それに献立も純和風に限らず、中華、洋食、エスニックと幅広い。

フランスの家庭料理より、
一般的に日本の普段の食事は非常にバラエティーに富み、
1回の食事に何品目も口にできる。
彼女の質問から改めて気付かされた次第です。


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2005年6月10日(金)

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