第24回
小さな、小さな学校
現在の家に案内してくれた不動産屋のおじさんが、
道路を隔てて100mほど入ったところに学校があると言いました。
ここに決めて帰る前、
息子を通わせる事になるかもしれない学校を訪ねてみました。
まるで山の分校のような小さな小さな学校で、
幼稚園(マタルネルmaternele)と
小学校(プリメルprimaire)が同じ敷地内にありました。
生徒が帰った頃を見計らって訪ねたので、
幼稚園の中を実際に見せてくれました。
様々な遊び道具やかわいい小さなテーブルや椅子がありました。
入口には子供たちの顔写真付きの手作り出席カード入れ
(ポスターのように内扉に貼られ、
写真にそれぞれポケットがあり名札が入っていました)
がありました。
朝、子供たちは自分でカードを出席にし、
帰る時それをひっくり返して行くようでした。
案内してくれたナディンヌという
お母さんみたいな先生と助手で
幼稚園児17人を担当しているといわれました。
このクロード・アヴリン校Ecole Claude Avelineへ
通わせるにあたり、
義母は「いろいろな年齢の子が一緒で、
先生はそれぞれにきちんと教えられるのだろうか」と心配しました。
そう思うのももっともでしたが、息子は一人っ子です。
私たちはむしろ
いろいろな年の子がごっちゃになっている点を良しとしました。
それに歩いて3、4分ですから
送迎(幼稚園は親の送迎が義務付けられているからです)も
簡単です。
結果は大正解でした。
学校が大好き(勉強より友達に会えるからなのですが)になって、
自分から進んで行きました。
朝起こすのに苦労した事もありませんでした。
それは9歳になった今も変わりません。
フランスに皆勤賞の制度はありませんが、
良く考えたら毎年皆勤です。
だいたい根が呑気な私たちなので、
近所の学校はここだけだと思ったのですが、
実際は家から3kmほど行ったセネの中心にも
幼稚園と小学校が合わさった学校が2つもありました。
どちらも200人規模
(パリ郊外だと一小学校だけで1000人以上も普通)。
クロード・アヴリン校は全校合わせて60名ほどの生徒しかいません。
近くてもセネの中心にある学校まで通わせている家庭もあれば、
時折このような小さな学校やクラスが
統廃合になるニュースもあります。
が、我が家にとってこの小さな学校の存在は
かけがえのないものになっています。
|