パリだけがフランスではありません

第20回
季節が見えるマルシェ

フランス語で市場のことを「マルシェmarche」といいます。
さらに一般的にマルシェといったとき、
パリはもちろん、
フランス中あちこちの街角で
それぞれ決まった日に開かれる露店市場を指します。

セネでは村の中心部で毎週金曜日の午後、
ヴァンヌの町では毎週水曜日と土曜日の午前中に開かれます。
セネのマルシェは数100mと小規模ですが、
野菜、卵、パン、鶏肉、チーズなど、
ビオ(BIO)といわれる有機栽培とか
自然食のそれぞれの露店が並びます。
どうやら私たちがここに越してきたあたりから始まったようです。
一方のヴァンヌのマルシェは
もっとずっと規模も大きく、歴史もあります。
マルシェの日だけ開く
魚専門のアル(市場の建物) halle aux poissonsもあれば、
毎日午前中開いている市場の建物もあるし、
食品以外に花や香辛料、衣料品や日用品を売る露店も並びます。
観光客も多いヴァンヌのこと、
バカンス(ヴァコンスvacance)時期(夏に限りません)は人が多くて
さっさと歩けないこともあるほど。

野菜は、大型スーパーマーケットに比べると割高になりますが、
ほとんどが近隣の農家で栽培された物で新鮮です。
それになによりマルシェには季節の旬の物が多く並びます。
冬、色彩は乏しいけれど
スープにすると美味しい根菜や
キャベツ(シューchouといいます)が中心で、
春の目玉はホワイト・アスパラガス。
夏が近くなるとキュウリ、ナス、トマトが出てきます。
もちろんハウス栽培があるのでサラダ類は1年中ありますが、
冬期ビオの店ではぐっと品薄になります。
春と秋、ブルターニュはキノコ類が豊富な地方ではありませんが、
それでも比較的温かくて湿気の多い年は
美味しいキノコ類が出回ります。

スーパーに行けばいつでも何でもありますが、
やはり季節を直に感じられるマルシェはより人間味にあふれ、
魅力的です。
マルシェでの買物は、
フランスに暮らしている喜びの一つでもあります。


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2005年3月2日(水)

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