パリだけがフランスではありません

第18回
ブロコントとアンティケー Brocante & Antiquaire

フランス語に
ブロコントとアンティケー
という単語があります。
前者は古物商とかガラクタを意味し、
後者は骨董屋とか古美術商を意味します。
つまり同じ古い物を扱うわけですが、
ブロコントは玉石混合で安いのが魅力。
アンティケーが扱う物は
すでに価値が確定している骨董品というわけです。

フランス各地で年間を通して(冬は少なくなりますが)
5万件ものブロコントが開催されています。
日本的に言えば「のみの市」とか「フリーマーケット」でしょう。
毎週末、大規模なものから
学校の校庭で開かれるような小規模なもの。
それもプロ対象からアマチュアまで様々です。
出店者も常連のセミプロから屋根裏の整理をして来た人、
お小遣い稼ぎにおもちゃを売る子供もいます。

実はオリヴィエの趣味がブロコント回りだったのです。
しかも彼は若い頃ブロコントを営んでいたこともありました。
ほとんどの日曜日、朝6時には起きて出かけて行きます。
そうです。
いち早く掘り出し物を手にするには、
朝一番に勝負がかかるからです。

日本でも「お宝鑑定団」でしたか、
骨董や物置で眠っていた物を鑑定するTV番組がありましたよね。
骨董ブームも相変わらずかもしれませんが、
とにかくこうしたブロコントで宝物を手にするには、
それなりの知識と経験が必要なのだと、彼を見ていて思います。
なにしろ彼が喜んで説明してくれる物を見ても、
私にはあまりに汚かったり、あまりに壊れていたりして
さっぱりその価値がわかりません。
でもうれしそうにそれらを洗って、磨いて、直したりして
改めて見せられると、
最初の姿からは想像もつかないほどの変わりよう。

オリヴィエいわく
「こうして1年中ブロコントを回っても、
本当にすごい物と出会う確率は100万分の1」だとか。
でも、そこに夢があるから楽しいのでしょう。
どうやら一攫千金は遠い遠い道のりのようです。
ちなみに我が家の古い道具は、
みな彼がこうして時間をかけて見つけてきた物です。


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2005年2月25日(金)

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