保山でも朝夕は長袖を着込む程ぐっと冷え込むようになりました。
熱い目覚めのコーヒーを片手に窓の外に目をやると
乾季へと移り変わる山並みが、
コーヒーの樹木を一段と成熟に導いている景色に気づかされます。
乾季の1日の寒暖差が、美味しいコーヒーを生み出しています。
日本のように四季はなくても乾期の季節の始まりは実りの季節。
田畑や自然の実りを楽しむ光景を町の随所で見かけます。
市場では黄金色の焼き芋が甘い香りの湯気を上げ、
つい誘惑に負けてしまいます。
水田が終わった二毛作の畑ではトマトやインゲン、
ジャガイモが次々と生産されています。
葉物野菜やナスも美味しい時期なので日本の秋にも少し似ています。
今、市場で黄色い山になって売られているのは、
タイ族が採取してくる山菜で特産品の「ジョンボオ」です。
ジョンボオはヤシ科のシュロの木で黄色いサヤの中の蕾を食します。
葱とトマト・干し高菜と一緒に蕾を油炒めにした料理は
「素炒棕包」と呼ばれています。
干し高菜から出るこくとトマトの酸味、
ホンバオの蕾のほろ苦さが後を引く美味しさです。
蕾のプチプチした海ブドウのような触感もたまりません。
ジョンバオは血行改善に効果があると言い伝えられているのですが、
実際に食べてみると
体が芯からポカポカと暖まってきたのでびっくり。
市場では季節の変わり目に
薬膳の食材となる珍しい植物を見かけることが多くあります。
「体の冷えは未病」とされる中国では
体を温めることで
自然治癒力や自己回復力が発揮されるとされています。
繁忙期が続く中、タイ族スタッフが元気で過ごしているのは
毎日の食卓に上るこれら薬膳のおかげかもしれません。
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