収穫は標高の低い産地から始まります。
コーヒーの木は紅葉とは逆に、
山の裾野から山頂に向かって色づいていきます。
真っ赤に熟したコーヒーチェリーは一粒一粒丁寧に手でもぎ取り、
籠の中に集めます。
品種によっても熟す早さが変わります。
原種に近いティピカの方が、カチモールより早く熟します。
ティピカは完熟してから黒く変色するまでの収穫適期が
3・4日と短いのが特徴です。
広大な農園の中で収穫適期に達した樹を逃さないように
日々の管理に神経を尖らせています。
ティピカが群生して残っている他の農園の状況を
把握するのにも最適な時期です。
今年は昨年の大干ばつの影響で
雲南地方の農作物全般に不作となっています。
卸値も高騰しています。
特にパパイヤやマンゴー、竜眼といった果樹や
多年性植物の被害が甚大です。
コーヒーも例外ではありません。
保山一帯の産地では干ばつの影響に加え、
弱った樹に病気が大発生しました。
大量のカイガラムシが樹液を吸い、
その排泄物が原因で葉や実が黒いカビに覆われてしまう
「すす病」です。
熟す直前に実が落ちてしまい商品になりません。
生産者にとってこれほど悔しいことはありません。
今年のカチモールのチェリーの初値が
すでに去年の1.5倍、1kg3.8元になっていると
買付業者が眉をひそめています。
私たちの農園では今のところ順調に収穫が進んでおりますが、
年初めにだした予想収穫量をやや下回りそうです。
ここから収穫の終わる1月まで、気を引き締めて臨んでいきます。
写真はリス族の使っている手作りのコーヒーポット。
中国で初めてコーヒーが植えられた雲南省の浜川には、
樹齢100年を越す古いコーヒーの樹が残っています。
100年前にフランス人宣教師が広めたベトナム式の飲み方が
道具と共にひっそりと受け継がれてきています。
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