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45.加工技術の向上と社員教育
おいしいコーヒーをお届けする為に
加工技術の向上は待った無しの課題です。
他国の産地では当然の技術が中国ではまだまだ普及していない現状。
それを他の農園や加工場に先駆け、
いち早く導入することが邱公館の使命でもあります。

良質なティピカの美味しさを引き出すために
今年徹底している基本的な課題が3つあります。

1.チェリーの最適な収穫時期

真っ赤に熟した完熟チェリーのみを収穫するように写真を見せ、
スタッフと一緒に収穫をしながら勉強会を開きました。
チェリーの色で完熟度を確認します。
今年は、昨年よりさらに基準を厳格にし、
雑味のない美味しいコーヒーを目指しています。
木の上で黒く乾燥してしまわないよう、
こまめに収穫することが大切です。

2.パーチメントの乾燥日数の変更
今までは水分率11.3~12.7%に入るまで
2時間おきに混ぜながら天日干しをしていました。
水分率を基準に乾燥日数を決めていたため、
日数も天候により4日から10日までバラバラでした。
今年からは天日干しによる乾燥日数を最低8日以上と設定しました。
日差しが強い時間帯には広げて乾燥することをやめて、
パーチメントを山にしてビニールで覆い、
急激な乾燥を防いでいます。
この作業で、豆一つ一つの乾燥のむらを防ぎ、
おいしさをじっくり豆に閉じ込めることができます。
焙煎のむらを防ぐためにも役立ちます。

3.パーチメントからグリーン豆に脱穀する機械の変更
今まではお米や麦を脱穀する昔ながらの脱穀機と、
とうみを使っていました。
擦り剥くように脱穀していた為、豆の表面に傷がつき
焙煎豆にした時に傷が目立っていました。
また、この方法では1日2人で150kgしかできませんでした。
今年からは近くのコーヒー脱穀専用の加工場に委託しています。
品質を確保する為、邱公館のスタッフが直接出向き、
機械使用前に掃除をしています。
他の豆や異物が混入しないように注意を払い作業を見守っています。
傷がないきれいなグリーン豆が
掃除も含め1時間で1tも加工できるようになりました。

これら3つの作業の変更はとても基本的な事です。
ただ慣例の作業に慣れたスタッフの意識を変えて
徹底してもらうことは容易ではありません。
自分たちの手で作り上げた出来たてのコーヒーの
澄んだ美味しさを実感できれば
スタッフも理解してくれると期待しています。


2010年10月13日(水)

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